われわれはNEEDS(日本経済新聞社)、COMPUSTATII(米国Standard & Poors'Compustat Service Inc.)、EXSTAT(英国Extel Statistical Service Inc.)という日本、米国、欧州の主要な財務デ-タを会計情報を収集する立場から比較検討し、その特徴と構造を明らかにした。 収録項目の特徴として、米国、英国系、欧州大陸(EC会社法統一後)、日本企業の間にはバラツキがある。会計処理方法も国あるいは企業間で多岐にわたっている。特に棚卸資産の評価基準、固定資産の評価基準、減価償却方法のバラツキが大きい。デ-タベ-スの観点から、COMPUSTATIIのように会計数値に加えて、会計処理方法やその組合せをコ-ド化する必要がある。 財務デ-タは基本的に会社、期間、項目の3次元の構造をもつ。これらの財務デ-タをリレ-ショナルデ-タベ-スにおとす場合、レコ-ドを検索するためのキ-項目として会社コ-ドと業種コ-ドに加えて、企業の国際投資、資源配分、関係・子会社の活動などの海外戦略を把握するため、国連デ-タベ-スが指向するように、企業間の支配・従属関係を表すキ-を設定し、階層構造的にのデ-タを蓄積する必要がある。 各国の情報量にバラツキがあるため、標準フォ-マットの設定は情報量の少ない国のフォ-マットに左右されてしまう。情報量を減少させることなく効率的にデ-タ解析を行うための一つの方向として、各国別の財務デ-タ体系でデ-タベ-スに格納し、各国間や企業間での会計処理の方法をル-ルとして記述し、必要に応じて財務デ-タを調整する。この方向にそい、財務デ-タ等の数値デ-タベ-スと会計処理方法等の知識デ-タベ-スを蓄積し、それらのインタ-フェ-スを備えた国際比較の可能なエキスパ-トシステムを構築を予定している。
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