研究課題/領域番号 |
63450093
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和田 照男 東京大学, 農学部, 教授 (60011847)
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研究分担者 |
秋山 邦裕 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (20167852)
斎藤 潔 東京大学, 農学部, 助手 (80202076)
八木 宏典 東京大学, 農学部, 助教授 (00183666)
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キーワード | 雇用型農業経営 / 農業雇用 / 農業労働力調達 / 労務管理 / 大規模農業経営 / 農業法人 |
研究概要 |
本研究の目的は、近年新しい動向を示している雇用型大規模農業経営の雇用労働力調達方法と、そこで用いられている労務管理の実態について、その特質を明らかにすることである。 研究初年度の昭和63年は主に雇用導入に関する統計資料の分析を行なった。その結果、農業雇用者数それ自体は減少しているものの、その一方で農業雇用を導入している経営が「農家以外の事業体」に集中しているなど、従来動向でみられなかった雇用労働力に本格的に依存した経営の動きがとらえられた。 研究2年度の平成元年では、こうした雇用労働力依存経営における労働力調達、及び労務管理の実態把握のため数度の現地調査を行なった。その対象は大規模野菜経営、稲作法人経営、さらに農協の労働力斡旋事例に及んだ調査の結果、それらの労働力調達、労務管理のあり方は作目ごとにかなり多様な形態を示していた。 このような研究成果を受けて、研究最終年度の平成2年では前2年の研究を引き継ぐ形で現地調査を継続するとともに、研究のとりまとめにむけて、労働力調達方法と労務管理に関する理論的検討を数度の研究会にて行なった。そこでは、雇用導入を契機とした経営発展のプロセス、雇用導入による経営者の意識構造変革が労務管理に及ぼす影響などについてきわめて興味深い知見が得られた。加えて諸外国の雇用型経営の動向把握として、カリフォルイア州の実態分析にも取り組んだ。 このような研究の結果、本研究の目的は十分に達成されたと考えている。しかしその一方で、雇用型経営はさらに一段と激しい変容をみせている。そのような新しい変化の把握・分析等は今後に残された課題である。
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