研究課題/領域番号 |
63450101
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石田 忠男 広島大学, 教育学部, 助教授 (90034818)
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研究分担者 |
藤本 義明 広島大学, 附属中・高等学校, 教諭
那須 俊夫 広島大学, 教育学部, 教授 (90033026)
岩合 一男 広島大学, 教育学部, 教授 (40036629)
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キーワード | 予想 / 推測 / 証明の予想 / 証明問題 / パソコンの活用 |
研究概要 |
本年度は当研究の2年次(最終年度)の研究であり、主として次の4点の研究を行った。 (1) 予想が数学や数学教育に果す役割の基礎的研究 (2) 図形の証明問題における生徒の予想の実態調査的研究 (3) 「紙と鉛筆」を用いた場合と「パソコン」を用いた場合とにおける予想の比較研究 (4) 図形の証明指導の授業研究 各々において、次のような研究成果をえた。 (1) においては、Popperの反証主義やLakatosらの準経験主義における推測(予想)の役割を考察し、それが発見の手段を越えた役割を担っていることを指摘し、それを受けて推測を活用する図形の論証指導を提唱した。 (2) では今年度は、代数での証明と図形での証明の認識調査、言葉による証明と図示による証明との比較調査などを行った。前者の調査では生徒は、代数と図形の証明とを懸け離れて捉えていることがわかった。また、後者では言葉と図示とで大きな違いがみられなかった。 (3) では、処遇の違いによる影響は有意差があるほどのものではなかった。これは、処遇以上に個人差や問題による影響が大きいことを示すものと解釈される。 (4) では、図示による証明を十分に指導した後で、証明の書き方を指導するという新しい試みを行った。これによって、予想、証明がうまくなされ、証明指導改善の1つの手掛りをえた。 なお、上記の結果は本研究におけるものであり、一般性までは現時点では主張できないと考えている。また、日仏の比較文化的研究は今後の日仏共同研究の中で継続して行う計画である。
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