研究課題/領域番号 |
63460001
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
安富 邦雄 福島大学, 経済学部, 教授 (60007424)
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研究分担者 |
清水 修二 福島大学, 経済学部, 助教授 (30134159)
山川 充夫 福島大学, 経済学部, 助教授 (00094285)
飯島 充男 福島大学, 経済学部, 助教授 (70106946)
北村 洋基 福島大学, 経済学部, 助教授 (90091850)
町田 俊彦 福島大学, 経済学部, 教授 (70007417)
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キーワード | 内需主導型経済 / 円高 / マルク高 / 生活の質 / 生活関連社会資本 / 労働時間 / 地域経済 |
研究概要 |
(1)日本と西ドイツにおける内需主導型経済への転換 日本と西ドイツは、経常収支の膨大な黒字の圧縮と内需主導型経済への転換を迫られている点は共通しているが、その過程で解決すべき重要な課題が、日本では住宅・生活関連社会資本整備と労働時間の短縮といった「生活の質」の向上であるのに対して、西ドイツでは雇用拡大・失業の圧縮となっている。 1986年以降、日本と西ドイツでは輸出の経済成長に対する寄与度は低下し、自国通貨ベースの貿易収支の黒字は縮小したが、ドルベースでは改善は目立たない。1988年末には、為替相場の安定の下で、黒字幅が拡大の傾向をみせている。 内需への依存度が高まったが、西ドイツではマルク高、減税に支えられた個人消費を除いては、顕著な盛り上がりはみられない。日本では、円高・資産効果・賃金上昇率の高まりに支えられた個人消費の他に、住宅建設、公共投資、民間設備投資が活発化した。その限りで、日本のほうが内需主導型経済への転換は順調であるといえる。しかし日本では、地価高騰、公共投資の目的別配分の固定化による生活関連会社資本整備の立ち遅れ、長い労働時間の固定化に示されるように、「生活の質」の向上は進んでいない。むしろ西ドイツのほうが、ワークシェアリングによる雇用拡大のために、労働時間の短縮を進行している。 (2)内需主導型経済への転換と地域 海外進出による「産業空胴化」は、東北に進出しているIC工場などのハイテク産業では顕在化していない。NIES製品の輸入が激増しているニット産業では、中・低級品の製造企業が深刻な打撃を受け、上位企業のような高付加価値化を迫られている。地域への影響は、現金調査を継続して、来年度分析を求める予定である。
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