研究課題/領域番号 |
63460005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
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研究分担者 |
島川 和久 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (70109081)
高崎 金久 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (40171433)
河合 隆裕 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027379)
中西 襄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (30027362)
荒木 不二洋 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027361)
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キーワード | 無限次元多様体 / 結晶基底 / 共形場の理論 / 混合ホッジ加群 |
研究概要 |
1.無限自由度をもつ系の一例として、無限次元り一環に付随した無限次元多様体が構成され、その幾何学的性質がくわしく研究された。その結果、有限次元の場合にあらわれなかった新しい組合せ的構造が明らかになりつつある。特にそのSchubert多様体の幾何学的性質が、対応するワイル群のHecke-Iwahori環の双対を用いて記述される事がわかった。 2.統計力学における絶対零度において系の構造が単純化するという事実の類推から、量子群の絶対零度にあたるq=0でのふるまいを研究し、結晶基底という新しい考えが提出された。この考えを種々の分野に応用した。特に可解格子模型における重要な量・1点函数が、結晶基底をもちいて量子群の表現と直接関連付ける事に成功した。又、一般線型群の場合にLittlewood-Richardson規則という名で古典的にしられていた表現のテンソル積の既約分解の組み合せ論的記述も、結晶基底を用いて他の古典群の場合に拡張されたこともいちじるしい。一方、D-加群の変型として非線型微分方程式をとらえる立場からハイパ-ケ-ラ-多様体を研究し、そのモジュライ空間の性質が明らかになった。 3.共形場の理論においては、SUn-対称性をもつ射影平面上の共形場の相関函数の代数解析的構造を研究し、その積分表示を得る事に成功した。その簡単な場合は、Riemannの超幾何函数として既に古典的に知られている結果であるが、一般の場合は多重積分となってその性質は複雑である。 4.D-加群をホッジ理論に応用して、混合ホッジ加群の概念を導入し、その性質を研究した。又、それは1に述べた無限次元Schubert多様体の幾何学的構造の研究に応用されている。
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