研究課題/領域番号 |
63460009
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
石黒 正人 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (40023684)
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研究分担者 |
馬場 直志 北海道大学, 工学部, 助教授 (70143261)
平山 智啓 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (60012837)
磯部 〓三 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (20012867)
森田 耕一郎 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助手 (20167688)
近田 義広 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教授 (30126122)
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キーワード | スペックル / 開口面マスク / closure位相 |
研究概要 |
我々は大型光学望遠鏡による地上での高空間分解能観測を目指して、非冗長(nonーredundant)なアパ-チャマスクを使った光開口成合法の開発研究を行っている。昨年度、国立天文台堂平観測所の91cm反射望遠鏡を使ったこの手法の試験観測から、日本国内のサイトにおいては大気の揺らぎの条件がかなり厳しく、イメ-ジ・スタビライザ-が必要なことが明らかになった。そこで今年度、われわれはイメ-ジ・スタビライザ-を組み込んだアパ-チャマスキング装置を開発した。イメ-ジスタビライザ-は実験室での測定から50Hzまでのフラットな動作特性を持つことを確認できた。ただし、まだ細かい残留振動成分が見られ、また長い時間スケ-ルの動作点ドリフトがあることがわかった。これらは、今後改良していく必要がある。さらに我々は、国立天文台岡山天体物理観測所にこの装置を持ち込んで観測を行い、このイメ-ジ・スタビライザ-が有効に機能していることを確認した。そして、高空間分解能観測のために有用なデ-タを多数得ることができた。 これらのデ-タから、我々は次のような問題点を明らかにすることが出来た。 1.日本の空のコヒ-レンスパッチは3cm以下であるものと思われる。一方、非冗長マスクを使った場合、あまり副開口の数を多く出来ないので、副開口の径をコヒ-レンスパッチに合わせたアパ-チャマスクを用いると、全開口面積はかなり小さくなってしまう。したがって、微弱な天体に対する感度を上げるためには、多少基線の冗長を許したマスクの使用を考える必要がある。 2.各副開口間の遅延誤差のため基線長が長くなるとフ-リエ成分の振幅の大きさが急激に小さくなる。この効果は、イメ-ジスタビライザ-を用いてある程度補正することが可能である
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