研究課題/領域番号 |
63460017
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
高橋 保 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20047137)
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研究分担者 |
高崎 史彦 高エネルギー物理学研究所, 教授 (70011749)
寺本 吉輝 大阪市立大学, 理学部, 助手 (50163928)
東 茂 大阪市立大学, 理学部, 教授 (50046786)
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キーワード | マス・スペクトロメーター / タイム・オブ・フライト / レンジ計 / 重い宇宙線の観測 / 宇宙線中の2重水素 / 宇宙線中の3重水素 / 宇宙線中の重い長寿命の粒子 / 新粒子 |
研究概要 |
宇宙線マス・スペクトロメーターは入射粒子速度を測るTOFシステムと物質中でのレンジを測るエンジ計とからなる。63年度完成の全体の大きさは縦240cm×横120cm×高さ280cmであり、大阪市大キャンパスの観測小屋に設置された。TOFシステムは3層のシンチレーター・ホドスコープと6層(XY各3層)のドリフトチェンバー(DC)からなる。ホドスコープとのユニットは200cm×20cm×2cmのプラスチックシンチレーターの両端にTS型ライトガイドと光電管H1949をつけ黒紙だけでおおったもので各層4ユニットからなっている。1層と2層は垂直に150cm離れ、第3層は2層から60cm離れ鉄吸収体の下にある。シンチの減衰定数は350cm、フォトマル1個での時間分解能250psを得た。シンチと高速光電管が経費の大部分である。レンジ計は鉄吸収体と4層のトラックディテクターからなり吸収体の厚みを変えることにより観測粒子を選択した。DCのセルサイズは5cm×5cmであり、手持ちのチェンバーを改良して作った。時間はCAMAC-TDC(本年度購入)、波高はADC、そしてDCは4290システムを用い、MICRO/PDP-11で読み出しミニ・コンピューターで解析した。トリガーはシンチ左右からの信号をミーン・タイマー(本年度購入)で平均した各層間の2-3nsデイレイ・コインで行った。1層、2層間の時間差から入射粒子の速度を、吸収体下の第3層の波高値から質量を求めた。現在までに、鉄3cm、9cmの吸収体を用いミュー粒子で補正を行いながら、陽子ラン、2重水素ランを行った。観測の結果は陽子の強度(β=0.65)=8x10^<-6>、2重水素(β=0.5)=10^<-7>/cm^2・sec/srであった。平成元年度は2重水素、3重水素、3重水素以上の重い長寿命の粒子があればその観測を行う。
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