研究分担者 |
楠瀬 昌彦 高知大学, 理学部, 教授 (90036533)
四方 隆史 理化学研究所, サイクロトロン, 研究員 (80087428)
山田 豊 理化学研究所, 極限計測技術室, 技師
西 克夫 理化学研究所, 極限計測技術室, 室長
松岡 勝 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 主任研究員 (30013668)
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研究概要 |
1.1988年9月に、乗鞍岳の中性子計を4本から12本に増設した。また1989年3月に電源および回路型を運び上げて設置し、カウンタの出力信号を10秒値として記録している。これにより、係数率は6.7×10^5/hより2.0×10^6/hに増加し、信号対雑音比は2倍近く改善された。地球近傍に300MeV以上のエネルギーを持ち、フラックス1cm^<-2>s^<-1>の太陽中性子が飛来したとすれば、10秒値で6σの感度が得られるようになり、大フレアが起これば、10秒値でも十分検出可能になった。 2.データ処理システムとしては1分値データの質をチェックしてMTに書き込むまでの流れが完成した。 3.地球大気中での太陽中性子の伝播から中性子計による捕捉に至る計算機シミュレイションが10MeVから400MeVまでの入射中性子に対して行なわれた。中性子のレスポンスはE^n近似で200MeVまではn=4それ以上ではn=0.8程度が見積もられた。 4.フレア中での粒子の加速と中性子発生から検出までの過程を理解し今後の方向付けをするために、1989年1月27日には太陽中性子研究会が開催された。研究会集録は準備中である。 5.現在、太陽活動は急激に活発化しており、1990-91年の太陽活動極大期に向けて次のような計画がある。 元年度:(1),本観測装置の調整と観測を実施しする。 (2),解析プログラムを開発し、データの解析を行なう。 (3),得られた結果を宇宙線国際会議に発表する。 2年度:(1),中性子データと共に他の電磁波や粒子のデータを総合的に解析し、フレアおよび太陽中性子生成の機構に迫る。 (2),データと解析結果を持ち寄り、総合的な研究会を開催。 (3),得られた結果を論文として発表する。
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