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1989 年度 実績報告書

BCC固体ヘリウム3の磁場中における核磁気秩序相の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63460022
研究機関東北大学

研究代表者

澤田 安樹  東北大学, 理学部, 助教授 (90115577)

研究分担者 後藤 輝孝  東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (60134053)
鈴木 治彦  東北大学, 理学部, 助手 (50004370)
佐藤 武郎  東北大学, 理学部, 助教授 (00004424)
伊豆山 健夫  東北大学, 教養学部, 教授 (10012288)
キーワード固体^3He / 核スピン / 交換相互作用 / 一次相転移 / スピン波 / 融解圧力計 / 核磁気秩序 / 核断熱消磁装置
研究概要

立方対称のBCC固体^3Heは核スピン1/2をもち、最も単純な磁性体の典型的な系として注目されてきた。しかし、実験から明らかになってきた磁気的な振舞は、予想に反して極めて複雑で興味深いものであった。理論的には、固体^3Heの中では、一般的な二体の交換相互作用の他に、三体、四体の交換相互作用が大きな役割をしていると考えられている。これまでに、核帯磁率、秩序状態におけるNMR、圧力、比熱測定によって重要な知見の蓄積が行われ、低磁場秩序相と、高磁場秩序相の二種類の秩序相があることが明らかになっている。本課題では、核磁気秩序相の性質を、NMR、SQUID、融解圧力計を用いて実験的に研究することであった。最低到達温度81NK、ヒ-トリ-ク480pwの優れた性能を持つ核断熱消磁装置を完成させ、本格的な実験ができるようになった。ヒ-トリ-クに関しては、世界で最も低い値である。これにより、固体^3Heを、核磁気秩序状態に二ヶ月以上連続的に保持できるようになった。高磁場相と常磁性相間の相転移の次数を確定するために、磁場中での融解圧力の測定を行ったが、温度掃引および磁場掃引を行った融解圧力の変化には、一次相転移を示す潜熱は観測されなかった。一方、一次相転移を示す低磁場相を囲む三重点付近の相線の勾配を調べた所、三重点の両側で勾配に差があり、高磁場相から常磁性相への転移は一次相転移であることを示した。結局、高磁場相から常磁性相への転移は、0.03Rln2程度のエントロピ-差をもった弱い一次相転移であることが判明した。計画では、NMRとSQUIDを用いた実験を行う予定であったが、融解圧力の実験に圧力を費やし、実験できなかった。今後は,転移点での磁化の変化を、NMRとSQUIDを用いて測定する予定である。又、NMR法によってスピン波を励起する実験を行い、これまで、不明であった固体^3Heスピン波の振舞を調べる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 澤田安樹: "Melting Pressure of Solid ^3He in Magnetic Field near the Nuclear Ordering Temperature." Physica. B. (1990)

  • [文献書誌] 澤田安樹: "Mean Frec Path Effects in Superfluid ^4He" Journal of Low Temperature Physics. 76. 387-415 (1989)

  • [文献書誌] 伊豆山健夫: "The Exchange Narrowing T_1 in Solid Helium-3:The Fourth Moment of the Resonance Line." Journal of Physical Society of Japan. 58. 1149-1151 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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