研究課題/領域番号 |
63460031
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
邑瀬 和生 大阪大学, 理学部, 教授 (50028164)
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研究分担者 |
石田 修一 東京理科大学, 山口短期大学, 教授 (70127182)
蒲生 健次 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029445)
鷹岡 貞夫 大阪大学, 理学部, 講師 (50135654)
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キーワード | メゾスコピック / 極微細線 / バリステック伝導 / アハラノフーボーム効果 / アンダーソン局在 / プラチナ・シリサイド / GaAs / GaAlAsヘテロ構造 |
研究概要 |
^3He冷却クライオスタットを製作し、温度を0.4Kまで下げてメゾスコピック系の量子伝導の研究を行った。その結果以下の研究成果を得た。 (1)超伝導になるとわれわれが予想していた、プラチナ・シリサイドが実際、Tc=0.68Kで超伝導になることを確認した。 (2)GaAs/GaAlAsヘテロ構造の極微細線(実効線幅170nm)において、一次元サブバンドの磁場によるdepopulation効果を観測した。 (3)十字状の微小な試料で、電気伝導の非局所性のため、磁場に対する非対称的な伝導度のゆらぎを観測した。 (4)試料の大きさが電子の弾性散乱長より小さい、(GaAs/GaAlAsヘテロ構造の極微細線で、電子のバリステック伝導効果による、4端子負抗抵、非局所的電圧のゆらぎ、電流経路を曲げたことによるゼロ磁場付近の抵抗の増加などの現象を観測した。 (5)GaAs/GaAlAsのリングで細線の側面にリングの円周の一部が接触していて、直接リングに電流が流れない試料で、アハラノフーボーム効果による磁場による抵抗の振動を観測した。 (6)Sb薄膜のアンダーソン局在を観測した。 現在さらに^3He冷却クライオスタットを最大磁場8.5Tのコンパクトな超伝導磁石に挿入して、極低温、強磁場下でのメゾスコピック系の量子伝導の測定を進行中である。
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