研究課題/領域番号 |
63460040
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 助手 (80027292)
|
研究分担者 |
入倉 孝次郎 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027253)
尾池 和夫 京都大学, 理学部, 教授 (40027248)
|
キーワード | 海底地震計 / ディジタル海底地震計 / 海底物理 / 潜水船 / 地球内部構造研究 / 3成分地震観測 / 堆積層の影響 / ノイズレベル |
研究概要 |
研究の目的 地球の表面の2/3を占める海の観測なしには地球内部構造研究の進歩は望めない。このため、過去数十年にわたり、海底地震観測に多くの努力が払われてきた。しかし、現在の海拍地震観測には改善すべき点も多い。とくに、平坦な堆積層を捜し地震計を投下し観測する手法には多くの問題がある。柔らかい堆積層に邪魔され、地球内部研究用の質の高い地震波形が記録できない。この研究の目的は、新しい型の海底地震計を開発し、地震計を海底の岩盤に置き、高品質の地震波形を記録することにある。地震計の設置には、海洋科学技術センターの潜水船"しんかい2000"が用いられる。この研究により、海洋底マントル構造や核の研究や、高精度海底観測方法への新しい視点が開かれ、地球内部構造研究に飛躍的な発展が望める。 63年度の成果 ディジタル3成分海底地震計を作成し、沖縄トラフで観測を行った。記録メモリーには、4メガバイトのPROMを用いた。内臓のCPUにより地震と判定された信号は、4分間にわたり記録される。サンプリング周波数が50Hz、ダイナミックレンジが12ビット、記録地震個数が最大51個である。記録された地震のトリガー時間、判定基準、振幅等は、メモリ中のトリガーリストに書き込まれる。さらに、地震が一個もトリガーされない日には、翌日の零時に、地動が4分間にわたり収録される。この記録はバックグランドノイズレベル解析のために用いられる。地震計の姿勢制御は、観測開始前に自動的に行われる。耐圧ガラス球上の地震計は、モータにより吊り上げられ、静止し鉛直が取られたのち、再びモータによりガラス球の上に降ろされる。この操作により、地震計は約3°の精度で水平が保たれる。その他、水晶時計の温度、海底地震計の傾斜の測定などは、すべてソフトで制御されている。記録は現在解析中である。
|