研究課題/領域番号 |
63460046
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山形 俊男 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (50091400)
|
研究分担者 |
蒲地 政文 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (70169613)
馬谷 紳一郎 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (30112353)
|
キーワード | コスタ・リカ・ド-ム / 海洋大循環モデル / エル・ニ-ニョ / ミンダナオ・ド-ム / ITCZ / 季節風 / ENSO現象 / 黒潮 |
研究概要 |
現在世界最高の水平分解能を持つ海洋大循環海域モデルを用い、昨年度に続き赤道域東太平洋コスタ・リカ沖の海洋変動を詳しく調べた。特に今年度は人為的に制御された風系を用いた、GFD的な数値実験を行うと共に、FSUの風デ-タを用いて経年変動のシミュレ-ションを行った。更に太平洋の全域モデルを用いて、予備的な実験を行った。この全域モデルの水平分解能は九州大学大型計算機の能力との関係で、前述の海域モデルより粗くなっているが、東太平洋に於ける両者の一致は良い。更に西太平洋フィリピン沖のミンダナオ渦が再現される等、興味深い結果が得られている。1.高解像度海域モデルに関する成果(1)海洋物理だけでなく、生物学的にも、また漁業の面からも重要なコスタ・リカド-ムの季節変動の平均的描像が明らかになった。ド-ムは4ー5月にその形状を現し、ITCZに吹き込む夏季の南からの季節風の強化と共に発達し、9月頃に最盛期を迎える。その後やはりITCZに吹き込む北東季節風によって分断され弱まる。(2)ド-ムの発達には夏季の南からの季節風が重要な役割を果たしているが、それと共に冬から初春にかけて吹く北東季節風が作る比較的小規模の冷水域の存在がド-ムの形状を規定する重要な条件となっている。2.太平洋全域モデルに関する成果(1)赤道域の基本的な温度構造や流速分布、及びその季節変動が再現された。日本付近の黒潮も再現され、九州大学応用力学研究所の海洋観測と合致する流量が得られた。(2)その消長がエル・ニ-ニョの発生と深く関わっている西太平洋のミンダナオ・ド-ムが再現された。これにより、この海域の変動とENSO現象の関連を最終年度に調べる展望が開けた。
|