研究課題/領域番号 |
63460060
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
佐々木 敬介 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (00051425)
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研究分担者 |
木下 岳司 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (40195334)
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キーワード | SHG / 有機非線形光学材料 / MNA / ダイナミックグレーティング / 純光双安定性 / 非線形方向性結合器 / カルコン / 位相整合 / 非線形光導波路 |
研究概要 |
有機非線形光学材料を用いてのパラメトリック増巾、差周波発生を達成し昭和63年7月に開催された非線形光学国際シンポジウムで発表した。この研究に際して材料の光学定数の評価を新しい方法によって行い、その結果をApplied Optics誌に発表した。MNA単結晶薄膜光導波路にレーザ光を結合するグレーティング構造を基板に作成し、入出力結合をグレーティングによって行うことを初めて実現しレーザ、88国際会議において発表した。またダイナミックグレーティングをNdiYAGレーザの干渉によって作成し、実際にHe-Neレーザ光の回折を観測した。ポリジアセチレンLB膜の導波路をコーニングガラス薄膜と複合構造で構成し、純光双安定性をCW-Nd:YAGレーザを用いて観測した。この結果は初めてのもので、J.Opt、Soc.Am.誌に発表した。また、ポリジアセチレン膜を方向性結合器に応用する実験を行い、理論解析との定性的一致を確認している。光双安定性の結果は、応用物理学会平成元年春季講演会の有機非線形材料に関するシンポジウムで発表する予定である。次に新低分子非線形光学材料カルコン系物質についてまずその結晶化を試み、光学的に2軸で、点群mの単結晶を溶液法によって得た。この結晶について異方性光学定数を決定し、さらに、2次の非線形光学テンソルをも決定し、Hobden等の第2次高調波発生における位相整合についての分類と対応させて理論解析を行い、極めて妥当な結果を得た。なお、この結果は世界で最も権威あるレーザの国際会議、CLEOS89において招待講演として発表される予定である。カルコン系材料については今後もポリマーとブレンドして、いわゆるゲスト、ホスト混合あるいは電界印加によるポーリング等に、より高い、非線形光学機能を発揮させる研究へと展開していく予定である。
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