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1988 年度 実績報告書

レーザー誘起フォノン・ブリュアン散乱の光ヘテロダイン分光

研究課題

研究課題/領域番号 63460062
研究機関東京大学

研究代表者

高木 堅志郎  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90013218)

研究分担者 崔 博坤  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30143530)
キーワードブリュアン散乱 / 光ヘテロダイン分光 / リプロン
研究概要

最近、液体・固体の物性研究の手段として高周波域の超音波スペクトロスコピーが注目され、各方面からGHz域における高精度の音速・吸収測定技術の開発が望まれている。現在、GHz域の有力な測定手段にはブリュアン散乱法があるが、分光器として用いるファベリーペロ干渉計の分解能が十分でなく、高精度測定を困難にしている。本研究の目的は、レーザーにより誘起されたコヒーレントフォノンあるいは熱フォノンによるブリュアン散乱光の光ビート受信技術を開発し、高精度のGHz域超音波スペクトロスコピー技術を確立することである。本年度の研究実績の概要を以下に述べる。
1.ブリュアン散乱光の光ビート検出光学系の設計、組み立てを行なった。またMCP内蔵フォトマルによる高速、高感度の光検出系の製作を行なっている。
2.本研究においては、熱フォノンによるインコヒーレントな散乱光の光ビート受信技術が重要な要素となる。我々は、これに関連するものとして熱的に励起された表面張力波(リプロン)による光散乱の光ビート検出を試みた。液体の表面では、熱的に励起された表面変位のゆらぎが表面張力波となって伝搬する。表面に入射した光はこのリプロンによって散乱され、散乱角および散乱光のドップラーシフトはそれぞれ散乱に寄与するリプロンの波長、周波数を反映する。最近我々は、この散乱光を回折格子によって分離したローカル光を用いて光ビート受信することに成功した。得られたリプロンのパワースペクトルから液体の表面張力と粘性が求められる。これまで水、エタノールを試料として波長範囲30μm〜300μmにおけるリプロンの分散関係を得た。今後、光学系受信系の改良によってさらに高周波領域で測定を行なうことをめざしている。また液晶、高分子等の表面物性研究への応用も検討している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 高木堅志郎,崔博坤: 高分子. 37. 413 (1988)

  • [文献書誌] 高木堅志郎: 光学. 17. 477-485 (1988)

  • [文献書誌] Jong-Rim Bae;Pak-Kon Choi;Kenshiro Takagi: J.Acoust.Soc.Jpn.(E). 9. 241-245 (1988)

  • [文献書誌] Pak-Kon Choi;Kenshiro Takagi: J.Acoust.Soc.Jpn.(E). 9. 191-194 (1988)

  • [文献書誌] Harue Sakai;Kenshiro Takagi;Akiko Minamisawa: Jpn.J.Appl.Phys.Suppl.27-1. 27. 55-57 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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