研究課題/領域番号 |
63460062
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 堅志郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)
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研究分担者 |
崔 博坤 明治大学, 理工学部, 助手 (30143530)
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00215584)
田中 肇 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (60159019)
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キーワード | ブリュアン散乱 / 光ヘテロダイン分光 / 超音波スペクトロスコピ- / リプロン |
研究概要 |
最近、液体・固体の物性研究の手段として高周波域の超音波スペクトロスコピ-が注目され、各方面からGHz域における高精度の音速・吸収測定技術の開発が望まれている。現在GHz域の有力な測定手段にはプリュアン散乱法があるが、分光器として用いるファブリ-ペロ干渉計の分解能が十分でなく、高精度測定を困難にしている。本研究の目的は、レ-ザ-により誘起されたコヒ-レントフォノンあるいは熱フォノンによるプリュアン散乱光の光ビ-ト受信技術を開発し、高精度のGHz域超音波スペクトロスコピ-技術を確立することである。本年度の研究実績を以下にまとめる。 (1)高分解能ブラッグ反射法を改良し、固体試料中の音速、吸収をGHz域で精度よく測定する手段を開発した。サファイア単結晶についての測定結果から、フォノン-フォノン相互作用の大きさを表わすパラメ-タであるGruneisen定数を評価した。また酸化ゲルマニウムガラスのGHz域の音速・吸収を測定し、ガラス中の酸素原子の二重井戸ポテンシャル中での運動に伴う超音波緩和を観測し、広帯域スペクトルからその分布関数を求めた。 (2)液体表面を伝搬する熱的表面張力波によるブリュアン散乱を光ビ-ト法で測定する技術を確立し、1MHzにいたる高周波域での液体表面の動的物性の研究を行なった。この技術は今後広く液体表面のダイナミクスの研究に応用できると考えられる。また一連の実験によって、インコヒ-レント光の光ビ-ト検出に関し多くの知見を得ることができた。 (3)純粋な熱フォノンによるインコヒ-レントな散乱光を光ビ-ト検出する光学系をいくつか組み立てて予備実験を行ない、各々の特性を明らかにした。
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