研究課題/領域番号 |
63460063
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大井 ミサホ 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40176821)
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研究分担者 |
安藤 正海 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 教授 (30013501)
並河 一道 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10090515)
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キーワード | X線共鳴散乱 / パラメトリック周波数変換 / 放射光X線 / YAGレ-ザ- / 位相整合条件 / カドリニウムガリウムガ-ネット / 多光子散乱 / 誘導放射 |
研究概要 |
GGG単結晶を試料に用い、ガドリニウムのLII共鳴散乱を利用してX線パラメトリック散乱の観察を試みた。強力なレ-ザ-光に照射される場合、中間状態に誘導2光子放射を伴なうX線共鳴散乱の現われることが期待される。このようなX線パラメトリック散乱は位相整合条件が満たされるブラッグ散乱の高角側のすそ野に衛星反射として観察することを期待できる。 本年度は、最初GGG単結晶の444反射の高角側のすそ野の測定をレ-ザ-光の偏光面がX線の偏光面と一致する場合と直交する場合について行ない、これらの差を調べた。その結果、位相整合条件から期待される位置に有為の差が観察された。ついで、マルチポ-ルウィグラ-からの放射光を用いて、最初の例と同様な測定をX線とレ-ザ-光の偏光面が一致する場合について行ない、レ-ザ-光を照射したときとしないときの差を調べた。その結果第一の場合と同様に、位相整合条件から期待される位置に有為の差が観察された。現在のところ、マシンタイムの関係でこれらの再現性が十分確認されたわけではないが、これらの結果は上で述べたような機構によるX線パラメトリック散乱の出現の可能性を示している。 次のマシンタイムで、このような現象の再現性を確認し、中間状態の状態密度に対する散乱強度の変化を、入射X線のエネルギ-を走査して調べる予定である。局在したf準位が中間状態の共鳴準位として寄与する場合、著しい散乱強度の増大を期待できる。
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