研究課題/領域番号 |
63460078
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 浩 大阪大学, 工学部, 教授 (30029095)
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研究分担者 |
井上 豊 大阪大学, 工学部, 助手 (90029033)
渋谷 陽二 大阪大学, 工学部, 助手 (70206150)
仲町 英治 大阪大学, 工学部, 助教授 (60099893)
久保 司郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (20107139)
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キーワード | 積層複合材 / 変形限界 / 界面強度 / 剥離伝播 / 非弾性不安定 / 局所くびれ |
研究概要 |
(1)アルミニュ-ム薄板(箔)と延伸ポエチレン・フィルムの積層した複合材料について一方向引張り試験を行い、変形限界に結びつく特性の詳細な観測を行った結果より、次のような知見を得た。(a)変形限界は、自由縁に生じる局所変形(縁不安輝変形)によって律される、(b)ただし、縁の沿って局所的縁曲げ(エッヂカ-ル)を発生するときには、変形限界が著しく向上する。 (2)同一材料の等2軸(パンチおよび液圧張り出し)試験の結果より、次のような知見を得た。(a)破断は必ず層間剥離部のアルミニュ-ム材に生じる(b)剥離は、初期の接着不良部より発生、伝播する。(c)破断の様相は初期接着不良部の大きさに依存して、・タイプA:剥離が急成長した後に発生するケ-ス、・タイプB:(変形に伴う拡大程度以上に)剥離の増大を伴わずに発生するケ-ス、に分けることができ、(d)前者の場合、変形限界は著しく増大する。 (3)以上のような実験的知見を、数値シミュレ-ションにおいて再現されることを確かめて、支配している材料、形状などの因子について分析を行った。その結果の主なものは、(a)上記の(2)の現象に対応して、限界初期剥離量が存在して、それより小さい初期接着不良の場合には局所くびれ方の破断を、大きい場合には剥離場伝播した後に拡散型の破断を生じる。(b)これより、タイプAの破断限界ひずみは、拡散くびれ発生点(ほぼ、いわゆる最高荷重点ひずみ(ε=η))で評価されること、(c)タイプBの破断は、高次モ-ドのくびれ発生ひずみ(Hill-Hutchinsonの評価式)で予測できる。
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