研究概要 |
本年度は3年間にわたる本研究の最終年度にあたるため,ソフトウェアのまとめと体系化を中心に研究を行った。このため,スクリ-ンエディタと光磁気ディスク装置を購入し,これまでに作成してきた個別の制御ソフトウェアを一本化して光磁気ディスクに格納した。 また,昨年度より研究を開始した球面SCARAロボットによる三次元物体の非接触形状測定については引き続き検討を進め,速度を改善するためには通信の方法を改善し,精度を改善するためにはア-ム長さのキャリブレ-ションを行うなどして改良に努めた。この結果,野球ボ-ル程度の大きさの三次元物体について,繰返し精度±0.2mm,絶対精度±1mm,測定時間2〜3時間で三次元形状デ-タを取り込み,これをディスプレイ画面上,あるいはXYプロッタによって表示することが可能となった。 球面SCARAロボットは新らしい構造のロボットであるため,その機構解・逆機構解,運動制御方式,アプリケ-ションの開発など,すべてをゼロから始めなければならなかったが,この3年間の研究によって基本的な制御システムを完成し,実用化への目途をつけることができた。また,この研究の中で確立された手法は,他の種類のロボットを開発する場合にも十分に参考となるものと思われる。本研究の内容を詳細に記述した科研費研究成果報告書(約220ペ-ジ)を作成した。 球面SCARAロボットの実用化に関しては装飾品加工への展開が有望視されている。これについてはティ-チング方式,CAD導入を含めたシステムとしての研究が必要であり,当研究室の新たな研究テ-マとして取組みを開始する予定である。
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