研究課題/領域番号 |
63460085
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有浦 泰常 九州大学, 工学部, 教授 (10038044)
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研究分担者 |
梅崎 洋二 九州大学, 工学部, 助手 (70038066)
中西 勉 宮崎大学, 工学部, 教授 (40038055)
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キーワード | 歯車 / 経済的歯面仕上げ / ホブ切り / 歯車精度 / 歯面粗さ / 負荷能力 / 歯面強さ / 歯面損傷 |
研究概要 |
1.高精度歯車の経済的加工:一般に用いられる中・高硬度歯車を対象とした高精度歯切りを目的として、新しく試作したサ-メット仕上げ専用ホブによる歯切り加工精度(歯形誤差など)および歯面粗さの評価を前年度に引続き行った。 (1)ホブ切り試験:被削歯車精度の向上を目的として高精度のホブを製作するためホブ切れ刃をねじ面上に残したランド部を設けたサ-メットホブを試作し、ホブ切りを行った。ランド幅は前年度舞いツ-ル基礎試験の結果に基づき0.1ー0.2mmとした。ホブ摩耗の進行は非常に遅く、長寿命であること、歯面粗さは最大高さで約2μmをホブ摩耗がランド部を含み約0.25mm程度まで維持できることが明らかになった。またホブの左右の切れ刃の摩耗についてはトレ-ニング側切れ刃の方がやや進行が早いことも分かった。被削歯車精度はホブの取付偏心誤差を小さくすることでモジュ-ル6歯車をJISO級に維持できることも明らかになった。 (2)舞いツ-ル基礎試験:サ-メット仕上げ専用ホブの加工能力を調べるため浸炭材(HRC61)の切削試験を1本刃の舞いツ-ルで行った。切削速度が60ー100m/min程度の領域では短時間内にチッピングを生じ、切削不能になった。低速域40m/min程度で切削可能であった。 2.動力循環式歯車試験機による運転試験および歯面損傷の観察:サ-メット仕上げホブ切り歯車の負荷試験を前年度に引続き行うとともに、歯面損傷を詳細に観察した。 (1)サ-メット仕上げホブ切りを行うことにより普通の高速度剛ホブ切りに比べ、約4倍の伝達荷重に耐える歯面強さを持っている。 (2)歯面損傷は典型的なピッチングであるが、歯面が滑らかになると個々のピットの形状は大きくなり、数は少なくなる。
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