研究課題/領域番号 |
63460088
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
|
研究分担者 |
桑原 正明 東北大学, 医学部, 助教授 (50006780)
杉山 弘 室蘭工業大学, 教授 (70002938)
小林 陵二 東北大学, 工学部, 教授 (70006170)
|
キーワード | 衝撃波収束 / 液体ジェット / 超高圧 / 水中衝撃波 / ウォ-タ-ジェット / 微小火薬 / キャビテ-ション / ホログラフィ-干渉計法 |
研究概要 |
従来進めてきた微小火薬の爆発による水中衝撃波の発生に関する研究を継続して行い、水中衝撃波現象に関する多くの基礎的知見を集積した。特に、水中球状衝撃波が回転楕円体面で反射・フォ-カスし、限局された領域に超高圧が発生するメカニズムについて実験並びに数値シミュレ-ションの両面から詳細な研究が行われた。その結果、実戦的にはアジ化銀10〜100mgの範囲で第二焦点に最高5千気圧、またPETN100mgで8,000気圧を超える高圧の発生に成功し、これを駆動源とする高圧液体ジェット生成の基礎が確立した。以上の基礎研究に基づいて、長・短径212mm×150mmの回転楕円体内で10mgのアジ化銀ペレットを爆発させ、第二焦点部に配した外形8mm、内径5mmの円形パイプを介して高圧液体ジェットの生成を試みた。パイプの出口側に、内径1mmのノズルを取り付け、その出口でパルス状ウォ-タ-ジェットの衝突に起因するよどみ点圧を試作のPVDF圧力計を用いて計測した。第二焦点で生ずる約2,100気圧の高圧は、パイプ内に液体の高速流れを誘起し、出口で最大圧力約90気圧、半値幅約2μsのよどみ点圧が発生した。この時、ジェット速度は約130m/sと見積ることができる。また、数値シミュレ-ションの結果、パイプ内部で高圧状態が維持していることから一種の衝撃波管流れに類似した流動状態が存在するものと推察できる。本研究で提案する原理に基づく高圧液体ジェットの生成は、限局された空間に極めて短い時間(2〜3μs程度)、指向性の強い液体の流れを作ることが可能であることから、今後この特性を活かした医学利用やその他の分野への応用を考えて行きたい。
|