本研究は、狭窄血管モデルにおいて拍動が流れに与える効果、PSD発生を支配する因子の検討、さらに最終的に生体血管を用いてPSD発生を実験的・理論的に確認することを目的とする。 実験的には、シミュレーション実験及び生体モデル実験に用いるため実験装置の設計・製作にあたって、毎月1回分担者の他、学識経験者等も含めて企画会議を行ない、基本的な装置設計から始めて、予備実験等を経験を踏まえて、最終的な設計を取まとめ、発注し、現在一部調整中である。各分担については下記の通りである。 (1)シミュレーション実験(1)狭窄附近の流動を詳細に計測するため、狭窄部を連続的に移動させうること、(2)拍動による管端効果を少なくし、管路の直線性保持及び拍動による振動遮断のために支持を微調整可能とすること、(3)内部流動観察のために透明プラスチック管を使用するが、透明度を損うことなく内径誤差を少なく、真円度を保つこと、(4)拍動による振動伝播度を除くことなどを考慮して最終設計を行い、発注・製作した。現在、制御回路について調整中である。また、購入した圧力センサーを用いて、拍動流計測の予備実験を行っている。 (2)生体モデル実験:本実験は基本的には(1)と同じであるが、最終的に生体血管を用いて実験を行うために(1)試験部は食塩水タンクにし浸す必要があること、(2)任意の拍動波形を与えるため、制御回路を用いて空気溜圧力に任意の変動を与えることなど、を考慮して最終的設計を行ない、発注・製作し、現在調整中である。 理論的には、狭窄を有する血管内において任意波形の拍動を有する流動を調べ、特に狭窄下流の於ける乱れ、壁面せん断力を調べるために、数値計算プログラムを開発し、予備的計算、考察を行っている。次年度購入予定のWork Stationを用いて計算結果の処理を行なう予定である。
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