研究課題/領域番号 |
63460098
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池上 詢 京都大学, 工学部, 教授 (70025914)
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研究分担者 |
吉原 福全 立命館大学, 理工学部, 助教授 (30174999)
山根 浩二 京都大学, 工学部, 助手 (10210501)
塩路 昌宏 京都大学, 工学部, 助教授 (80135524)
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キーワード | 数値シミュレ-ション / 燃焼モデル / ガス流動 / 燃焼室形状 / 上死点すき間 / 熱伝達 / 遮熱 |
研究概要 |
本研究では、往復式内燃機関におけるシリンダ内のガス流動および燃焼過程を数値流体力学の方法により記述し、気流、燃焼室形状、燃料噴射などの設計および運転変数が機関性能および有害排出物生成に及ぼす影響を解析する。本年度は前年度までの進捗をふまえて、実用性の高いシミュレ-ションプログラムの完成とその利用を図り、主に次の事項について研究した。 1.壁面に接する要素に有限体積法を適用して任意の形状をもつ燃焼室ガス流動を三次元的にシミュレ-ションする方法を考案するとともに、圧縮点火機関の微粒子低減に有効な高圧噴射の作用について解析した。 2.深皿形燃焼室における上死点すき間が機関性能およびすす生成に及ぼす作用を実験的に調べるとともに、そのメカニズムについて数値シミュレ-ションにより考察した。その結果、上死点すき間を小さくすると、初期燃焼時における未燃焼料のすき間への噴出が少なくなるとともに、すき間で強い乱れが生じるため燃焼が活発になることを示した。このことから、すすの低減には凹み内においては未燃焼料が少ない状態とし、すきま部では高温を保持したまま強い乱れを与えることが望ましい。 3.機関性能と密接な関係にある燃焼室壁からの熱伝達の扱いについて、とくに壁面性状の影響の予測を試みた。圧縮点火燃焼を対象として計算した結果、壁面に熱伝達率の低い堆積層が存在すると仮定すると、全熱流束は堆積層のない場合に比べてかなり低く、従来の経験式から推定される値とほぼ一致することが判明した。さらに、燃焼室壁表面にセラミックを熔射して遮熱する場合について予測し、熔射が熱流束を下げるのに有効であることを示した。
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