研究課題/領域番号 |
63460099
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 健二郎 京都大学, 工学部, 教授 (00026064)
|
研究分担者 |
鈴木 洋 京都大学, 工学部, 助手 (90206524)
萩原 良道 京都大学, 工学部, 助教授 (50144332)
|
キーワード | 伝熱促進 / 後向きステップ流れ / 循環領域の非定常化 / 熱伝達率の測定 / 流れの可視化 / レ-ザ-ドップラ-流速計 / 非定常数値計算 / 円柱によるかく乱 |
研究概要 |
本年度は、ステップを含むテストセクション底板を加熱し、後向きステップ近傍に円柱を挿入した系について、ステップ下流域の熱伝達率を測定する実験を行った。また、LDVによって流れ方向と壁面より垂直上方の2成分速度変動の同時測定の結果および昨年度より行っている流れの可視化実験の結果について検討した。LDVによる変動速度場の実験は、非定常性が強い遷移流に関してのみ行ったが、流れの可視化および熱伝達率の測定は、層流から遷移流の範囲で流れのレイノイズ数を変更して行った。さらに、非定常層流における熱伝達機構を知るために、より基本的系である平行平板間に角柱を挿入した系を取り上げ、非定常数値計算を行い検討した。 まず、熱伝達率の測定により、ステップ近傍に円柱を挿入した系では、熱伝達が不良であったステップ背面の循環領域の伝熱特性が向上することが明かとなった。また、流れの可視化から、円柱の挿入位置により、円柱を挿入した場合の非定常かされた流動形態は基本的に3種類に大別され、その各々に形態で、熱伝達率の分布形状が異なることが示された。さらに、LDVによる速度変動の測定の結果、非定常化によって変動強さが増大する位置に対応して、熱伝達の向上が顕著になることがわかった。なお、基本的な流動形態に及ぼすレイノイズ数の影響は小さかった。平行平板間に角柱を挿入した系を取り扱った非定常数値計算においては、非定常な層流では、乱流のように不規則な変動はないが、速度変動と相関はゼロではなく、これが熱伝導のみの熱輸送に重畳した熱輸送をもたらし、,伝熱特性を向上させると推測された。 次年度には、速度変動および温度変動の同時測定を行い、後向きステップ近傍に円柱を挿入した系に関する熱輸送機構についてより詳細な検討をする予定である。
|