研究課題/領域番号 |
63460100
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
廣安 博之 広島大学, 工学部, 教授 (40034326)
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研究分担者 |
西田 恵哉 広島大学, 工学部, 助手 (90156076)
新井 雅隆 広島大学, 工学部, 助教授 (80112176)
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キーワード | 噴霧 / 超臨界 / 蒸気濃度 / 平均粒径 / フランホ-ヘル回折 / ホログラフィ- / シュリ-レン / 画像解折 |
研究概要 |
液体燃料の臨界点を越える高温、高圧雰囲気(超臨界雰囲気)中での噴霧燃焼機構に関する基礎的知見を得るため、(1)光学的な測定が容易な短形断面の二次元燃焼器による不輝炎燃焼の研究、(2)新たに開発した計測法による臨界雰囲気中の噴霧内の燃料蒸気濃度や平均粒径の測定、(3)超臨界雰囲気中の単一液滴の蒸発と燃焼過程の高速度ビデオ観察を行った。研究実績の概要は以下の通りである。 (1)矩形断面の二次元燃焼器中の火炎状態の観察、火炎内の温度分布の測定およびガスクロマトグラフによる成分分析を行った。その結果、不輝炎燃焼の場合には火炎上流側での酸素濃度、温度が高いこと、輝炎の発生は熱分解された燃料中のアセチレン濃度と関係のあることがわかった。 (2)燃料の臨界点を越える高温、高圧雰囲気中に噴射した噴霧の燃料蒸気濃度の測定を、パルスルビ-レ-ザを光源としたホログラフィ法により撮影した噴霧の再生像の画像濃度を解析することにより行った。この結果、噴霧内の燃料蒸気濃度の分布は、噴霧中心部で小さく、ある半径位置で極大値をとり、外縁で急激に小さくなるという、鞍形分布をしていることがわかった。また、噴霧の平均粒径の測定を、パルスルビ-レ-ザを光源としたフランホ-ヘル回折法による測定法を用いて行った。この結果、雰囲気温度の増加にともない噴霧の平均粒径は初め増加し、最大値をとった後、減少することがわかった。 (3)噴霧の構成要素である単一液滴の超臨界雰囲気中での蒸発と燃焼の過程を、高圧容器中の高温壁面上につくった高温、高圧雰囲気中に液滴を落下させて高速度ビデオで観察した。この実験の結果、雰囲気が空気の場合の方が窒素の場合に比べて液滴の蒸発寿命時間が短くなること、また液滴の燃焼終了時間の圧力依存性が、壁面温度が臨界温度付近とそれ以上の温度範囲で逆になることがわかった。
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