研究課題/領域番号 |
63460105
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小野 京右 東京工業大学, 工学部, 教授 (40152524)
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研究分担者 |
山浦 弘 東京工業大学, 工学部, 助手 (80210326)
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キーワード | ナノダイナミックス / レーザ・ドップラ振動計 / エアスピンドルの伝達関数 / 浮動ヘッドスライダの周波数応答特性 / 非再現性振動 / 磁気ディスク面の振動 / 磁気ディスクスピンドルの振動 / 加速度計 |
研究概要 |
当初の計画では、63年度にはエアスピンドルを、平成元年度には磁気ディスク装置の浮動ヘッド機構を対象にして、ナノダイナミックス現象の測定・分析・理論検証システムを開発する予定であったが、Dantec社のレーザ・ドップラー振動計の購入が10月に遅れたので、エアスピンドルと浮動ヘッド機構のナノダイナミックス現象の測定・分析・理論検証システムの研究を平行に進め、以下の結果を得た。 (1)反射光量式変位測定器を用いて、エアスピンドルと磁気ディスクスピンドルのラジアル方向の振動成分(非再現性成分)と表面形状成分(再現性成分)を分離・分析する方法を研究した。振動成分の分離精度に及ぼす回転速度変動と表面形状の影響を理論的に明らかにすると共に、実験的に現状では、0.1μm以上の振動まで分離できることを明らかにした。また磁気ディスクスピンドルのトラックずれの原因となる非再現振動成分に関する論文をまとめ、精密工学会で発表した。本論文は、精密工学会誌に掲載予定であり、また9月のASME主催の振動会議でも発表予定である。(2)レーザ・ドップラー振動計と加速度計で測定したエアスピンドルの非回転時のコンプライアンス伝達関数はほぼ一致する。しかしレーザ・ドップラー振動計による回転時の伝達関数は、表面形状成分の分離精度をさらに上げなければ測定できない。(3)エアベアリングの空気膜の剛性・減衰の周波数特性および磁気ディスクの振動と表面形状に対する浮動ヘッドスライダの周波数応答特性を数値解析するプログラムを開発した。(4)レーザ・ドップラー振動計を用いると、磁気ディスク面の運動を1nm、20kHzまで測定できる。今後、平行振動成分とうねり成分とを分離する方法を明らかにし、浮動ヘッドスライダの周波数応答特性の数値解析結果と比較検討する。
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