研究課題/領域番号 |
63460112
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 工学部, 教授 (70029205)
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研究分担者 |
松原 一郎 大阪大学, 工学部, 講師 (30029128)
尾崎 雅則 大阪大学, 工学部, 助手 (50204186)
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キーワード | 導電性高分子 / ポリ(3ーアルキルチオフェン) / ポリピロール / ポリアニリン / 電力応用 / 導体 / 二次電池 |
研究概要 |
共役系の発達した導電性高分子を導体、二次電池等種々の電力応用という立場から作成し、この基本的性質を調べ次に記す様な成果を得た。 (1)ポリピロール、ポルチオフェン、ポリアニリン等とこれらの誘電体薄膜を電解重合法、触媒重合法で作成しその最適条件を明らかにした。 (2)ポリチオフェン、ポリ(3ーアルキルチオフェン)薄膜の禁止帯幅は電解重合法に比べて触媒重合法によるものが小さい。 (3)二次電池応用で重要となる価電子帯上端のエネルギーを電気化学的方法、即ちサイクリックポルタモグラムの測定から評価した。特に、ポリ(3ーアルキルチオフェン)の場合、アルキル鎮長とともに価電子帯上端のエネルギーが高くなる事が明らかとなった。これは、二次電池としてドーピング充電時のドーパントがアルキル鎖が長くなる程安定となる事を示すものである。 (4)ポリ(3ーアルキルチオフェン)の真空中での光電子放出スペクトル測定から価電子帯上端のエネルギーを評価した。この結果、アルキル鎖が長いもの程、このエネルギーが高い事がわかった。これは(3)のサイクリックボルタモグラムの測定結果と一致する。 (5)電解重合の際の電圧、溶値となる電解質濃度に得られる導電性高分子のモルフォロジーが強く依存する事、特別の条件ではフラクタル成長する事が明らかとなった。これらの事から、二次電池としての充放電の速度、電力密度等を改善する指針を得た。 (6)導電性高分子の高次構造が、これらを熱焼成して得られるポリアセン系材料の導電特性に強く影響を与える事を明らかにした。高配向したものを熱焼成した材料にFeCl_3、K等のインターカレーションにより10^5s/cm以上の導電率を達成した。 (7)Li電池としての応用にも高次構造の制御が重要である事を見出した。
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