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1989 年度 実績報告書

高速自動微分法の実用化と応用分野の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 63460131
研究機関東京大学

研究代表者

伊理 正夫  東京大学, 工学部, 教授 (40010722)

研究分担者 今井 敏行  東京大学, 工学部, 助手 (90213214)
久保田 光一  慶応大学, 理工学部, 助手 (90178046)
室田 一雄  東京大学, 工学部, 助教授 (50134466)
杉原 厚吉  東京大学, 工学部, 助教授 (40144117)
キーワード高速自動微分法 / 数値微分 / 丸め誤差 / 区間解析
研究概要

1)計算が大規模な関数にも高速自動微分法(FAD)を適用するためには、より少ないメモリでFADを行なう必要がある。我々は計算グラフ作成の段階を詳しく研究することにより、問題点を明確にした。そして、グラフ縮小法を開発し、それらの問題点の一部を解決した。現在、より一層の改良に向け、研究中である。
2)プリプロセッサ(言語表現を含む)の開発に関しては、一応の完成をみたが、さらなる改良を目指している。また、オペレ-タオ-バロ-ドを用いる方向でも探求している。
3)種々の計算機上でFADが利用可能となるようにプリプロセッサの移植などを行い、VAX,Sun,PC-9801などにおいてもFADが利用できるようにした。その結果、小規模な問題はパ-ソナルコンピュ-タ上で扱えるようになるなど、FADの利用範囲が広がった。
4)幾何的アルゴリズムを利用した地理的最適化問題にFADの適用を試みた。プログラム化の作業が格段に容易になったのはもちろん、結果として、解が高精度になり、また、ある程度の精度の解なら従来より高速に求まり、精度を上げると計算速度の差は更に開くことが明らかになった。計算精度、速度ともに優れた解法がえられたといえる。
5)FADへの関心が内外共に高まり、来年1月、米国工業数学・応用数学会によるFADに関する国際ワ-クショップの開催が具体化した。我々も出席者を出し、研究発表と研究交流をする予定である。
6)本研究の進展にあたり、ワ-クステ-ションの能力が限界に近づいたため、ワ-クステ-ション周辺の増強を行った。本補助金からは、主にマニュアル代を支出した。このため、当初予定のパ-ソナルコンピュ-タ用ハ-ドディスクの購入は断念したが、ワ-クステ-ションの能力向上により開発と実験の環境は強化され研究の効率はあがった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 室田一雄,久保田光一: "高速微分法における変数消去のグラフ論的考察" 情報処理学会論文誌. 30. 536-539 (1989)

  • [文献書誌] 久保田光一,伊理正夫: "高速自動微分法と区間解析とを用いた丸め誤差推定" 情報処理学会論文誌. 30. 807-815 (1989)

  • [文献書誌] 伊理正夫,久保田光一: "数値計算の基礎技術の最近の話題から -ノルム,丸め誤差、偏微分と高速自動微分法を中心として" 電子情報通信学会誌. 72. 1044-1052 (1989)

  • [文献書誌] Masao Iri: "Aspects of combinatorial approaches to circuits and systems." Proceedings of the 1989 International Conference on Circuits and Systems. 1-4 (1989)

  • [文献書誌] 伊理正夫: "正実関数と数値計算<故藤沢俊男教授に捧ぐ>." 電子情報通信学会技術研究報告. 89NO408. 77-84 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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