研究課題/領域番号 |
63460136
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水野 晧司 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (30005326)
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研究分担者 |
〓 鐘石 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20165525)
小野 昭一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00005232)
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キーワード | 逆スミス・パーセル効果 / レーザー加速器 / 回折格子 / サブミリ波レーザー |
研究概要 |
本年度の研究結果の概要を以下に述べる。 1.CO_2レーザー励起サブミリ波レーザーの共振器系の最適化 電子の駆動源として用いる光励起サブリミ波レーザーは、新たにファブリ・ペロー型シリコン(Si)鏡をレーザー共振器に導入することにより、波長70〜600μmの各発振線で1W以上の出力を単一基本ガウスモードで得ることが出来るようになった。特に185μmでピーク出力57W、パルス幅25nsecの安定の出力を1kHz以上の高い繰り返し周波数で得ることが出来た。この時の光子変換効率は11.6%を記録し、これは現在まで報告された中では最も高い値である。この実験では、今年度設備したデジタルオシロスコープを用いて出力パルスの波形解析を行なった。 2.各波長における導波用光学系の設計・製作 サブミリ波レーザー光(392、185μm)を超高真空容器内に納められた金属回析格子まで、自由空間中を反射鏡と2枚のTPXレンズを用いて導くための光学系を設計・製作した。 3.新しい超高真空排気系の製作 新しくターボ分子ポンプを導入し、真空容器の改造を行なった。その結果、部品交換等のため真空を破った後、従来実験可能な真空度(10^<-8>Torr)を得るのに最低2日かかったものが1日以下に短縮することが可能になった。 4.短波長域での逆スミス・パーセル(ISP)効果の計算機シミュレーション 実際に測定される信号の予想値を波長496μmで得られた実験結果を考慮して理論的に詳細に解析された。その結果波長185μmにおいて2Wのレーザーピーク出力があれば10evの電子エネルギー変化が得られ現在の電子検出系で観測可能であり、又ISP効果の重要な特性である電子ビームの位置依存性も微小スリット(直径<10μm以下)を用いて測定可能であることを明らかにした。
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