研究課題/領域番号 |
63460153
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木構造
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中井 博 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00047052)
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研究分担者 |
ルイーザ ヒロコ イチノ 大阪市立大学, 工学部, 助手 (60220810)
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30029334)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 曲線I桁橋 / 疲労 / 構造詳細の疲労 / 疲労設計法 / 腹板の面外曲げ疲労 |
研究概要 |
本研究は、昭和63年度から平成元年度の2年間にわたり、従来、未着手の曲線桁橋の疲労に関する研究を行い、疲労強度の点からみた曲線桁橋の限界状態設計法を模索しようとしたものである。曲線桁橋の疲労強度の推定のむづかしさは、一般の直線桁橋と異なり、横桁、および横溝などが曲率の影のために、常時、何らかの応力を受け、主要部材と二次部材の区分がなく、曲線桁橋が立体的応力が生ずる点にある。 昭和63年度には、これらの諸問題のうち、腹板の面外曲げによる疲労強度を調べるため、5体のI桁単体による実験を行った。その結果、腹板の面外曲げ応力を容易に算定しうる実用公式を提案した。そして、この妥当性を静的載荷実験によって確認した。また、続いて行った疲労実験によると、腹板の面外曲げによって、フランジと腹板との溶接部には、許容応力度に近い曲げ応力が作用しているにもかかわらず、N=2×10^6に達する回数でも疲労クラックが生じなく、腹板が座屈に対して安全に設計されていれば、疲労に対する配慮が不必要であることを明らかにした。 平成元年度には、I桁を2本並列させ、横桁や横溝も取り付けた実験的な曲線桁橋模型を作製し、主桁や二次部材の取付け用のリブプレ-トおよびガセットプレ-トの静力学的挙動を知ると同時に、本研究の一環として行ってきたFEM解析結果と比較し、応力集中の現象を詳しく調べた。つぎに、疲労実験を行って、リブプレ-トやガセットプレ-トなどの疲労クラックの発生箇所、荷重の繰り返し数、およびクラックの進展の状況などを観察した。また、日本鋼構造協会で提案されているS-N曲線と比較し種々な考察を行った。 これらの実験結果は、今後、曲線桁橋を疲労の面から安全に設計するための資料を提供するものと考える。
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