研究概要 |
本研究の初年度である昭和63年度において、次の研究を行なった。 1.本研究の基礎である、コンクリート舗装の曲げ疲労に影響を及ぼす外的要因、内的要因のばらつきを考慮したい、コンクリート舗装の破壊寿命に関するモンテカルロシミュレーションを完成した。 2.1.のシミュレーションにおけるコンクリート舗装破壊の内的要因の一つである、コンクリートの曲げ疲労強度のばらつきに関するデータは、静的曲げ強度52kg/cm^2のコンクリート供試体の試験結果に基づいている。そこでさらに静的曲げ強度40kg/cm^2、60kg/cm^2の2種類のコンクリート供試体に関して曲げ疲労試験を実施した。試験の際の応力レベルは0.90、0.85、0.80、0.70の4種類、打切り繰り返し載荷数は、200万回とした。供試体数は各応力レベル24本、合計240本の曲げ疲労試験を実施することにより、品質の異なるコンクリートの曲げ疲労強度のばらつきに関するデータを得た。 3.建設省東北地方建設局で管理している国道全路線におけるコンクリート舗装の路面現状調査データを入手し、これに交通量、舗装構造などを入力したデータファイルを作成した。この調査は同一箇所を3年間隔で既に3回実施している。またこれらのデータに関して、青森、盛岡、秋田、山形、いわき、郡山などにおいて調査内容のチェックを行なっている。データ数は舗装構造が明確なもの1,593箇所、舗装構造が不明なもの6,733箇所、合計8,326箇所である。 4.3.のデータファイナルにより、コンクリート舗装が、交通区分、経年数によって、そのひびわれ度がどのようなばらつきをもって分布するか分析を行ない、その度数分布をベータ分布関数で表現した。
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