研究課題/領域番号 |
63460160
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 晃 東京大学, 工学部土木工学科, 教授 (80011138)
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研究分担者 |
小林 智尚 東京大学, 工学部土木工学科, 助手 (50205473)
磯部 雅彦 東京大学, 工学部土木工学科, 助教授 (20114374)
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キーワード | 波 / 流れ共存場 / 漂砂量 / 海浜変形 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
1.任意波形振動流装置を用いて、現地スケールの種々の条件下で移動床実験を行い、砂漣を含む底面形状を測定すると共に、その変化から漂砂量を算定した。(1)2次元砂漣と3次元砂漣の発生条件が、シールズ数と水粒子軌道径・粒径比の2つのパラメターで区分できることがわかった。(2)砂漣波長・軌道径比も上記の2つのパラメターの関数として表示できること、砂漣の波形勾配はシールズ数の関数となることを確かめた。(3)漂砂量に対しては、岸沖方向の差としての正味の漂砂量がシールズ数の関数として表示できるが、3次元砂漣の場合は漂砂量が減少することを明らかにした。 2.2次元水路に新たに不規則波造波装置を取りつけた後、移動床実験を行い、海浜断面形状の変化や漂砂移動形態の観測ならびに漂砂量の算定を行った。(1)規則波の場合に比し、海浜断面形状の変化は緩やかであるが、変形パターンは代表波として平均波を用いれば規則波の場合とほぼ整合することを見出した。(2)漂砂量に関しては、不規則波の代表として有義波を用いて算定されるシールズ数との間に、規則波の場合とほぼ一致する関数関係が得られることがわかった。 3.現地海岸でのデータを収集整理中である。 4.これ迄研究を進めてきた海浜変形予測モデルのサブモデルである波浪・海浜流計算モデルを改良すると共に、漂砂量算定式を再検討した。(1)まず波浪・海浜流モデルについては、従来無視されることの多かった波と流れの干渉に対して、比定単線勾配方程式に包含する形での定式化に成功した。(2)漂砂量算定式については、特に砕波帯内での評価精度を向上させるために、砕波に伴う乱れによる漂砂量の算定式を提案した。
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