研究課題/領域番号 |
63460169
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
荒川 卓 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (90002815)
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研究分担者 |
溝口 光男 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (80166040)
荒井 康幸 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80002210)
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キーワード | 二軸曲げ剪断力 / 鉄筋コンクリート短柱 / 剪断強度 / 軸力比 / 設計式 |
研究概要 |
一方向の繰返し水平力が、18cm角の正方形断面の中心を通る鉄筋コンクリート(以下RC)短柱14本(2M/QD=2.5)を対象に選び、その断面中心を通るX及びY軸の何れか一方の主軸に対する水平加力の方向が0°と22.5°及び45°の3種で、軸力比が-0.1から0.5まで5種類に変化する場合の剪断性状に及ぼす差異を比較検討し、RC柱の剪断設計のための一資料とすることを目的とした。その成果は次のように要約される。 (1) 軸力の増大に伴ない、剪断ひび割れの進展状況や引張主筋沿いから中段主筋沿いに変わり、最大荷重時の部材角はやや小となって、剪断耐力以後における保持力の低下が急激となる。 (2) 軸力比が0.4程度以内では、加力方向の角度変化にかかわりなく、剪断力は軸力比の増加にほぼ比例して増大し、その耐力実験値は昨年秋に提案された"耐震設計指針案"の算定式計算よりも、解説に紹介されている算定式計算値の方により近似する。 (3) 水平加力の方向が断面中心に対して傾斜して二軸応力を受ける状態になる場合でも、剪断強度実験値は、一軸の場合の計算値の5〜6%程度の低下であり、強度式自体の変動率を考慮すると、従来の強度式で十分推算可能である。 以上の成果は、軸力比が一定の場合を対象としたものであるが、強震時に予想される二軸曲げ剪断力と変動軸力を同時に受ける場合の剪断性状を、初年度の成果を基準に次年度の実験で計画したい。
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