研究概要 |
I.暖房室内の室温分布の計測 (1)実験場所:9.2m×8.4m×3.0mの室 (2)暖房方法:床置き型ファンコイルユニット(FCU)1台のみ運転 (3)実験方法 a.サーモカメラによる撮像:幅90cmの障子紙を天井から床面に吊り下げ、FCUの中心線に沿って室奥まで一面に張る。障子紙から約6.4mの位置にサーモカメラを設置し、障子紙を撮影することにより、暖房開始後の室温分布を計測する。カメラの視野角の制約上、全画面を一度に撮影することは不可能なので、6分割してビデオ収録し、再生画像を写真撮影してつなぎ合わせることにより、1つの画面を合成する。 b.熱電対等による測定:サーモカメラによる障子紙の熱画像収録と同時に代表的部位の室温、床面温度、天井面温度、外気温、グローブ温度等を熱電対-データロガーシステムにより連続測定している。風速分布は垂直方向5点にて無指向型風速計を用いて、別途トラバース測定した。 c.実験条件(FCUの条件設定):吹出風量はHigh,Middle,Lowの3段階。吹出面での平均風速は概ねH:4m/s,M:3m/s,L:2m/sである。FCUの吹出口には水平面からの角度α=60°の固定ベーンがついているが、これをα=50°及びα=45°にも変更できるようにした。すなわち、吹出風量及び吹出角度の組合せで、合計9ケースについて実験した。 (4)実験結果:室温分布は比較的早く形成され、上下分布は吹出角度よりも吹出風量の影響が強い。 II.暖房時の温熱感覚申告実験 Iと同じ室内で、H-60及びL-45の2ケースに対して延べ24人の被験者を用いて全身及び身体各部位の快適感、温冷感、気流感等の温熱感覚を採取した。
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