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1988 年度 実績報告書

感温磁性流体における熱-磁気対流の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63460185
研究機関東北大学

研究代表者

中塚 勝人  東北大学, 工学部, 教授 (60005345)

研究分担者 小田 幸人  東北大学, 工学部, 助手 (40005369)
南部 正光  東北大学, 工学部, 助手 (10005340)
阿部 司  東北大学, 工学部, 助手 (50005310)
キーワード磁性流体 / 熱-磁気対流
研究概要

水熱合成法により、Mn-zn系フェライトについて、磁化の温度依存性が室温から100℃において最大であり、かつ粒子径が100〓程度で粒度分布幅が狭い超微粒子の合成法を検討した。その結果、化学組成が量論的組成からややはずれている。(Mn)_<θ14>(ZnO)_<θ13>(Fe_2O_3)_<θ41>の組成が最適であり、p^<H12>の金属塩共沈体を100〜120℃で反応熟成することにより磁性流体化が可能な原料を得た。この粒子から無極性溶媒をベースとした磁性流体を作成し、非一様磁界中で加温することにより生ずる対流挙動を温度分布測定から観察し、自然対流の約15倍の熱-磁気対流が得られることを確認した。次に、磁性流体中に設けた白金抵抗線を用いて熱源温度と伝達熱流量の関係を検討し、磁界傾度と加熱線の方向に依存して伝熱効率が変化し、最大約2倍の伝熱効率の向上が得られることを見出した。磁性流体の熱-磁気特性を応用した閉ループ内の循環システムについては既に研究があるが、本研究の結果単純な一本の容器内での流体循環を利用した廃熱システムへの応用が原理的に可能であることが判明したため、ヒートパイプや熱サイホンなどの型の新しい熱伝達装置への応用をめざして、熱-磁気対流制御による冷却システムのモデル実験を行った。装置は、磁性流体を充填した金属パイプの一端を加熱し、他端に設けた金属フィンによって空冷を行うもので、外側に設けた永久磁石の配置により磁界の効果を検討した。その結果、パイプ容器の縦横に関係なく、全体に磁界を印加すると流体温度は容器内でほぼ一様となり、磁気対流によって熱移動が促進されること、系全体の伝熱効率は、磁界の印加により5倍程度向上することなどが明らかとなった。現在の装置ではヒートパイプに較べると熱輸送量は小さいが、局所冷却に適しており、さらに粘度が低く熱伝導率の大きな流体の開発により向上が見込まれることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中塚勝人: 資源・素材学会誌.

  • [文献書誌] K.Nakatsuka: Journal of Magnetism and Magnetic Materials.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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