研究課題/領域番号 |
63460185
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中塚 勝人 東北大学, 工学部, 教授 (60005345)
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研究分担者 |
小田 幸人 東北大学, 工学部, 助手 (40005369)
南部 正光 東北大学, 工学部, 助手 (10005340)
阿部 司 東北大学, 工学部, 助手 (50005310)
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キーワード | 磁性流体 / 感温性磁性流体 / 熱-磁気対流 / 対流熱伝達 / 熱サイフォン |
研究概要 |
前年度に引き続き、中央に断熱材を挟んだアルミニュ-ム中空パイプに感温性磁性流体を充填し、一方を磁界の下で加熱して、磁性流体の熱-磁気対流によって低温部への熱輸送を促進させる磁性流体熱サイフォンの作動特性を検討した。分子量の異なるイソブタンを用いて3種類の粘度の磁性流体を作成し実験に供した。その結果、熱伝導装置の伝熱効率が磁性流体の体膨張率(β)、熱伝導率(λ)及び粘度(ζ)にどのように依存するかを実験的に明らかにし、磁性流体の評価はβλ/ζによって行なうのが適当であることを見いだした。また、試験容器の放熱部の強制冷却条件を変化させ、装置の伝熱効率と加熱部・冷却部の熱伝達率との関係を検討し、装置全体の性能を律速しているのは冷却部での磁性流体から冷却壁面への熱伝達効率であることを明らかにした。 上記の結果にもとづき、磁性流体から金属壁面への伝熱に対する磁界効果について検討をすすめた。モデル実験として、電磁石ポ-ルピ-ス間に設置した二重管の中心部に高温の磁性流体を、外側に冷却水を対向して流し、各液体の入口及び出口温度の測定によって両者の熱交換量に対する磁界の影響を調べた。その結果、磁場によって磁性流体から冷却壁への伝熱量を増加させることができ、これは管内の流動様式を磁場で変え、磁化の減少した高温の流体の流れが冷却壁の近傍に集中するように制御することにより実現されることを明らかにした。さらに磁気回路に工夫を加えればその伝熱効率の向上が可能となると考えられる。 フロン系熱輸送流体を用いた高効率化が当初計画に組まれたが、同溶媒の使用制限の方向が固まったため、本研究の主旨をフロン代替物の開発に切換え、イソブタン系について研究を集中した。 本研究の結果、従来知られていなかった流体伝熱制御が可能であることが実験的に示され、今後の各種の応用分野への発展が期待できる。
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