研究課題/領域番号 |
63460190
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
深道 和明 東北大学, 工学部, 教授 (00005969)
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研究分担者 |
潟岡 教行 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90194761)
福永 俊晴 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60142072)
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キーワード | スピングラス / インバー効果 / 圧力効果 / 内部磁場 / 小角散乱 / 熱膨張 / 強制磁歪 / クラスター |
研究概要 |
鉄系アモルファス合金の、熱膨張、弾性特性、強制磁歪などのインバー効果、スピングラス特性を系統的に調べると共に、メスバゥワー効果から求められる内部磁場の温度依存性を検討した。さらに構造との関連を議論するために、Fe-La合金の動径分布函数の解析や小角散乱の実験も行なった。これらの成果は2つの国際会議において招待講演として発表されたが、次のごとく要約される。 1.多くの合金系で磁気転移の3重点はFe=90%付近にあり、それ以上では常磁性→スピングラスの転移を示し、それ以下では常磁性→強磁性→スピングラスとリエントラントスピングラスの性質を示す。構造解析によると原子間距離は約2.54〓であり、強磁性と反強磁性の相互作用が競合する状況にある。 2.磁気転移温度の圧力効果は著しく、加圧と共にキュリー温度は降下し、スピングラス転移温度は頭初上昇する。 3.熱膨張および弾性の異常はキュリー温度以上でも顕著に現れるが、小角散乱で確認されたクラスターの存在が関与しているものと思われる。 4.メルバゥワー効果より求められた内部磁場はスピングラス転移温度以下で急激に大きくなり、理論的に予想される結果とよい対応を示す。 5.強制磁歪の温度依存性において、キュリー温度おびスピングラス転移温度でピークを示す。これは強磁場磁化率の変化と対応する。 6.種々の実験事実より、アモルファス鉄は結晶鉄と異なり強磁性ではなく、スピングラスであることが予想される。
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