研究課題/領域番号 |
63460195
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木原 諄二 東京大学, 工学部, 教授 (00010801)
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研究分担者 |
長崎 千裕 東京大学, 工学部, 助手 (90180471)
相澤 龍彦 東京大学, 工学部, 助教授 (10134660)
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キーワード | 最適化 / 溶解・鋳造プロセス / 計算モデル制御 / 塑性加工プロセス / 変形モ-ド法 / 連成解析 / 逆問題解析 / プロセスメタラジ- |
研究概要 |
本年度は最終年度であり、報告書の作成を中心に作業を行った。報告書は6章からなり、溶解・鋳造プロセスの最適化、塑性加工プロセスの最適化、金属材料力学特性からの最適化条件、溶解・鋳造・塑性加工プロセスにおける連成現象を中心にまとめた。溶解・鋳造プロセスにおける最適化においては、溶解・鋳造現象を記述するための溶融金属の流動、凝固現象の計算モデルおよび4分木ー修正4分木モデルを利用した計算モデルの統合化システムの試作について、議論、討論を行った。特に、後者ではCAD等で実用に供せられ重要な機能として利用されている形状モデルの集合演算と同様な機能を、計算モデルに導入し、目的の解析に応じて、複数の計算モデルの集合演算を可能とした。このモデルの一般化に関しては、他の研究機関と共同研究で行う予定である。塑性加工特に圧延における3次元変形現象について考察を行った。現在、熱間・冷間あるいは型圧延・薄板圧延を問わず、被加工材料の3次元変形がプロファイル制御・欠陥予測さらにメタラジー予測の上で不可欠となっており、本研究では実際の圧延変形特性を考慮した近似3次元変形解析手法の開発、それによる最適化について検討した。すなわち、研究者らは有限要素法による被加工材料断面速度場と未知パラメ-タを含む解析モ-ドによる圧延方向速度場とを連成させ、変形領域における塑性仕事最小化により、3次元速度場、変形形状を求める方法を開発し、それにより平圧延における幅広がり現象、型圧延における変形形状が実験値と比較して精度よく予測できることを示した。この方法は、現在型圧延において頻繁に使用される多パスからなるシステムの解析にも適用され、さらに塑性仕事による発熱、材料の構成関係の温度依存性、パス間移動により冷却・復熱などを考慮した解析にも応用され、実験値と良好に一致することを確認している。
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