研究課題/領域番号 |
63460206
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 次彦 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10079535)
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研究分担者 |
阿部 博司 大阪工業大学, 工学部, 講師 (40079546)
西山 丈司 大阪工業大学, 工学部, 講師 (90079541)
片山 襄一 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (10079543)
山口 武勇 大阪工業大学, 短期大学部, 教授 (00079542)
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キーワード | スポット溶接機 / 電極寿命 / 機械的特性 / 長寿命化 |
研究概要 |
今年度は本研究室で製作した特殊スポット溶接機、すなわち上部可動部の重量、しゅう動部の摩擦抵抗、溶接時の上部電極の衝突速度、さらに上・下可動部のアームの剛性などの機械的特性を可変しうるスポット溶接機を使用して各種の実験的研究を行った。えられた主な結果は下記のとおりである。 1.直上加圧形式で軟鋼板をスポット溶接する場合、しゅう動部摩擦力の小さな状態において上部可動部の重量を可変にした場合、ある重量において電極寿命が著しく延びる場合があることを見出した。スポット溶接中の電極運動を観察したところ、この場合電極運動の振幅が他の場合に比較して著しく大きいことが認められた。さらにこの場合の上部電極の固有振動数が約120Hzであることがわかり、この電極運動はスポット溶接部に対する60Hzの交流加熱による膨張運動に起因する強制力によって上部可動部が共振状態になる現象であることが確認された。この結果はIIW Doc.No.III-912-88に発表され、広く興味を集めた。 今後ここで見出された共振状態と同様の状態を、可動部の重量変化によらない他の手段で実現することを検討する。また表面被覆鋼板の場合に対する適用性についても検討する。 2.新しい電極寿命シュミレーション試験法を開発した。この方法は従来ナゲット経により判定されてきた電極寿命を電極先端形状変化から求めようとするもので、スポット点数300点程度で、スポット溶接機の機械的特性、電極材料、被溶接材特性などの影響を評価すること、および電極寿命に影響する主な因子を分離して評価することを目的としている。この成果の一部はすでに溶接学会昭和63年度秋期全国大会で、また溶接機の機械的特性の影響を中心に平成元年度の同春期全国大会で発表される。この研究は今後発展させていく計画である。
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