配向性パ-ティクルボ-ドの接着耐久性に関する研究 優良原木の不足を背景として、最近北米で大形な木材切削片を1軸、あるいは2軸直交配向させたパ-ティクルボ-ドが生産され、合板に代って建築下地材として用いられている。この傾向はラワン原木の入取が困難になりつつある我国の木材工業でも無視できない。配向性ボ-ド(OSB)の機械的性質については多くの研究があるが、接着耐久性に関しては十分に解明されていない。この研究は3層直交OSBの接着性能を原料比重、小片形状の因子で考察した。 1.OSBの接着耐久性におよぼす原料比重の影響 原料比重の高いボ-ドは水分繰返し処理で比較的大きいスプリングバックを与え、曲げ強さ、はく離強さ残留率が劣った。常態はく離試験の破壊位置は常に心層に生じたが、処理サイクル数の増加とともに、特に高比重原料からのボ-ドで、表層と心層の境界層に移行した。 2.構造用パ-ティクルボ-ドの接着耐久性 ウェファ-ボ-ドはOSBより接着性能ではるかに劣ったか、両者は共に同一の安定した曲げ性能残留率を示した。ユリアレジン結合パ-ティクルボ-ドは水分繰返し処理3サイクル以降内部結合力をほとんど失ったが、曲げ性能残留率は10サイクルまで約20%が保持された。このことからボ-ドの曲げ性能には小片間の結合力の他に小片自体の強度、小片間の接触面積が大きく関与することが示された。 3.配向性パ-ティクルボ-ドの強度性質におよぼす小片形状の影響 同一の小片細長比(長さ/厚さ)を有する厚い大形片と薄い小形片から製造したOSBの水分繰返し条件下の挙動を比較すると、小形片は大型片に比べて、スプリングバックが小さく、曲げ性能、およびはく離強さ残留率で勝り、高い耐久性能を与えた。
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