研究課題/領域番号 |
63460210
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
安富 六郎 茨城大学, 農学部, 教授 (10011892)
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研究分担者 |
中石 克也 茨城大学, 農学部, 助手 (40180236)
軽部 重太郎 茨城大学, 農学部, 助教授 (10007768)
荒川 稔 茨城大学, 農学部, 助教授 (80007674)
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キーワード | 災害 / 土壌型 / 地形 / 侵食 / 土地利用 / CBR / スレーキング / 締固め / 最適含水比 |
研究概要 |
63年度については、安富らはわが国の代表的な農業災害多発地として、新潟県糸魚川地区、島根県弥栄地区および災害発生の著しい茨城県大宮地区等を選び災害発生条件の特徴について調査した。結果は次のようにまとめられる。 1.地形的特徴と災害発生件数についてみると、災害件数は地形勾配、農地の土壌型および土地利用の形態と密接であることがわかった。地形区分は1km×1km四方のメッシュに分けてその領域内の最大、最小の高低差の勾配で示すと、災害発生率(発生件数/農地面積ha)は1/10から1/20の傾斜に区分される所に全体の70%が集中する。 それよりも急なところ、緩やかな所での発生件数は著しく低下する。 2.土壌型と発生件数の特徴については、異なる土壌型境界付近で災害が多発する傾向がみられた。土壌型の異なる地帯の傾斜面での多発の傾向は現場の写真記録をもとにして確認した。 荒川は土壌の締固めによる耐侵食性の変化について実験を行った。茨城県に分布する軟弱な粘土、砂質土、など数種類の土を用いて乾湿両過程による締固め土の非水侵と水侵CBRの関係について室内実験を行いつぎのようなことを確かめた。水侵CBRの最高値は土の種類やその土の受けた乾燥効果とかかわりなく、ほぼ最適含水比に対応することが認められた。さらに関東ローム(立川ローム層土壌)の締固め土のスレーキング実験を行った。これらの結果から、最適含水比はスレーキング速度と密接であり、締固めの程度がほいものほど、速度も遅く耐侵食性に富むことがわかった。 軽部は地域災害防止に関する土地利用学的研究を行い、次のことを明らかにした。風食防止のための散水灌漑によって土壌クラストが生成される事例を調査して、火山灰土の水による凝集的性質がクラスト形成に関与するものと判断した。 中石は土壌の粘土コロイドの分散性と侵食との関係を実験的に調べつつある。
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