研究課題/領域番号 |
63460211
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 助手 (20205256)
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研究分担者 |
高村 義親 茨城大学, 農学部, 教授 (20007678)
田渕 俊雄 東京大学, 農学部, 教授 (30041833)
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キーワード | 窒素 / 集水域 / 潅漑 / アオコ / 富栄養化 / 森林 / 農業 |
研究概要 |
本研究は「集水域からの窒素の流出」と「農業水利施設の水質浄化機能」の2つの内容から成っているが、それぞれについて研究成果の概要を記す。 1.集水域からの窒素の流出:集水域からの流出負荷量を精密に調査し、それにもとづいてLQ式の算定や流出モデルの作成を行い、流出負荷量の予測やその制御への道を拓くことを目的とした。そのために「森林集水域」と「農業集水域」の2地区を選定し、それぞれにおいて6時間間隔で流量と水質を1年間測定した。その結果は国際水質汚濁研究会議で発表し、さらに現在農業土木学会論文集に4編の論文として投稿中である。その結果によれば、森林集水域からの年間流出負荷量は6.8kg/ha、農業集水域で35.6kg/haであった。農業集水域の流出負荷量は森林の5.2倍も大きく、その原因は多肥の畑地にあることがわかった。また農業集水域では灌漑期には水田によって窒素の除去が行われていることも判明した。 2.農業水利施設の水質浄化機能:霞ケ浦の水を加圧送水している農業水利施設において送水過程で水質がどのように変化しているかを2年間測定した。アオコは送水過程で分解・沈澱し、その結SS、Chlーa、COD、DOが著しく低下し、一方無機態窒素が増大した。また0.4MPa以上の加圧によってアオコのガス胞が破壊され、沈澱しやすくなることを室内実験で確認し、アオコ除去方法への一つの示唆を得た。さらにアオコの分解について実験を行い、分解過程で放出される有機物の質と量について検討した。これらの研究成果は既に農業土木学会論文集に3編の論文となって発表されているほか、水質汚濁研究にも発表の予定である。
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