●本分担部分では、用水系において、ダム・水路・調整池・頭首工等の現実の水の動きを表現するシミュレ-ションモデルに、施設を操作する管理操作者の判断や行動など実際の複雑な諸条件を加え、より現実の用水運用状態に近い仮定で綜合的なシミュレ-ションを行う。 対象地域は栃木県の那須野原とし、管理操作ロジックを述語論理型言語prologを用いて設定した。 その結果、対象地区における用水路系の渇水年の管理運用の実態を、シミュレ-ションモデル上で人為操作を含めて再現しえたことが、実測値との比較により検証された。 そして、検証したプログラム(モデル)を用いて、管理操作の頻度・施設の能力等の条件を変えてシミュレ-ションを行なうことにより、管理操作の改善余地について検討した。とくに、調整池の運用方法を変えることにより、水資源利用効率に大きな差が現れることが示された。 この人工知能用言語のprologを用いたモデルには、さらに実際の複雑な条件を取込める新たな可能性があり、さらに検討を続けることが必要であり、かつ有意義であることが明らかになった。(中村分担部分) ●本分担部分は、河川を流下する送水波の挙動を解析することであるが、本年度は河川断面の微小変動に対しての影響を検討した。 具体的には、一様断面水路と水路の流れ方向に断面積が規則的に変動する断面を持った水路とを検討の対象とした。 その結果、送水波の波長は断面変動の波数に大きく影響され、しかもある波数において最大値をとる事等が明らかとなった。(後藤・久保分担部分)
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