研究課題/領域番号 |
63460220
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
出原 敏孝 福井大学, 工学部, 助教授 (80020197)
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研究分担者 |
山岸 正明 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (20031924)
立川 敏明 福井大学, 工学部, 助教授 (00020206)
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キーワード | 低域混成周波数 / パラメトリック崩壊不安定性 / 遅波回路 / プラズマ加熱 / サイドバンド |
研究概要 |
トカマク・プラズマの追加熱として有望視され、これまでにも精力的に研究の行われてきた低域混成波による加熱には、プラズマ密度に対する厳しい制限があることが知られている。その原因の一つは、プラズマ表皮で起きるパラメトリック不安定性により、入力電力がプラズマ表面で消費され、プラズマ中心に到達できないことによる。本研究では、この不安定性のモデル実験を行ない、不安定性を抑制する方法を提案し、入力電力をプラズマ中心にまで伝播させ、プラズマ中心での加熱及び電流駆動に対する目途を得ることを目的とする。63年度には、以下に示す成果が得られた。1.低域混成波のプラズマへの供給とパラメトリック崩壊不安定性の観測;プラズマ柱の周囲に設置した16個のリング状電極からなる遅波回路によって、低域混成波をプラズマ中へ供給した。入力波の波数と周波数を変えることによって、プラズマ中での励起波の伝播を制御した。入力波の電力が、しきい値を超えると、パラメトリック不安定性の生起が観測される。励起される低周波は、高磁場では、イオン・サイクロトロン波、低磁場では、イオン音波となる。入力波の高調波近傍にも、同様の現象(サイドバンドの生起)が観測され、この場合のしきい値は、基本波のしきい値に比して小さいことがわかった。 2.不安定性の抑制とプラズマ中心への高周波電力の供給;周波数の異なる複数個の高周波電力を同時に加えることにより、電力の総和を一定にして、しかも各々の電力は不安定性のしきい値以下にすることによって不安定性を抑制し、プラズマ中心にまで高周波電力を供給することができた。3.プラズマ中心における局所加熱及び加速;プラズマ中心でのパラメトリック不安定性の生起による加熱を観測し、(プローブ測定)光学測定による結果と比較検討中である。またビーム状の電子が観測されており、トカマクの電流駆動との比較を行なっている。
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