• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

文章理解のメカニズムに関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63460225
研究機関福岡工業大学

研究代表者

田中 卓史  福岡工業大学, 工学部, 教授 (50038048)

研究分担者 西原 鈴子  国立国語研究所, 日本語教育センター, 部長 (60189298)
田町 常夫  福岡工業大学, 工学部, 教授 (90037656)
キーワード文章理解 / 知識表現 / 論理文法 / 概念構造 / 推論
研究概要

本年度は平成元年度に引続き言語分析を進めるとともに、初年度に購入したワ-クステ-ション上に文章理解モデルを構築し、計算機実験を行ってモデルの妥当性の検証した。
1.設備備品について
本年度は設備備品の購入を予定していなかったが、年度途中に研究室が新建屋に移転することになり、移転後の初期の電源事情の不安定さに起因するワ-クステ-ションの破壊とデ-タの消失を防ぐため、移転に合せて無停電装置を購入し、無事に計算機実験を進めることができるようにした。
2.研究成果について
文章理解モデルは物語理解と説明文理解に分けて計算機実験を行った。
(1)物語理解のモデルを計算機上に実現するために、先に開発した集合型言語の確定節文法DCSGの持つ演繹的な推論能力を利用した。知識を推論規則の形で定義し、人力文からの推論である程度、近似的に人の理解状態を実現した。しかし、演繹的な推論のみ用いた文章理解の限界も明らかになった。人の文章理解に近づけるために、次の段階として、仮定を置いて先へと進む推論、つじつまを合せる推論、帰納的推論などが必要になることが明らかになった。
(2)説明文理解のモデルは、料理の世界を例にとり、操作を記述する文章を対象に研究を進めた。操作記述文は一つ一つの文が動的に対象世界を変化させるので、推論に基づく理解のモデルとは別に、DCSGの持つ集合変換の機能を利用したモデルを構築した。DCSGを対象世界のシミュレ-タとして動作させることができた。操作記述文の中には暗黙に述べられた状況記述が多く含まれていることが明らかになり、文章理解のモデルにこれらの状況記述を求める機構を加えた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takushi Tanaka: "Extended DCSG:A Formalism for Problem Solving" 電子情報通信学会 技術研究報告(人工知能と知識処理). AIー90. 41-46 (1990)

  • [文献書誌] 田中 卓史,田町 常夫: "言語理解のメカニズムに関する基礎的研究" 福岡工業大学 言語情報工学研究所彙報. 1. 21-26 (1990)

  • [文献書誌] Takushi Tanaka: "Definite Clause Set Grammars:A Formalism for Problem Solving" The Journal of Logic Programming(Elsevier). 10. 1-17 (1991)

  • [文献書誌] Takushi Tanaka: "Knowledge Representation for Electronic Circuits in a Logic Grammar" Proc.Fourth International Conference on Industrial & Engineering Applications of Artificial Intelligence & Expert Systems. (1991)

  • [文献書誌] 田中 卓史: "文章理解のメカニズム" 情報処理学会論文誌.

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi