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1989 年度 実績報告書

2原子結晶における各原子の温度因子を独立に測定する方法

研究課題

研究課題/領域番号 63460227
研究機関日本大学

研究代表者

宇野 良清  日本大学, 文理学部, 教授 (00058661)

研究分担者 大隅 一政  高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (70011715)
キーワード放射光 / 光線粉末回折 / X線異常分散 / 温度因子
研究概要

昨年度に試作したSORビ-ム位置追従装置を改良し、SOR光散乱体に銅板を用いた。X線TVで検出した散乱および蛍光X線強度を1走査線上において256回積分して強度分布を求めるように積分回路を増設した。その結果雑音が減少し、半値幅の中心をビ-ム位置とすると位置検出感度は±0.03mmであった。回折計の高さの制御精度は±0.01mmであって、回折計に対するビ-ム位置変動を±0.3mm以下としてX線波長変動を±0.0001Å以下に保つという目的を達成した。
GaAs粉末試料を用い、GaK吸収端(1.19580Å)の長短両側の2波長、1.19735Å(λι)と1.19462Å(λs)において回折測定を行った。両波長におけるGaとAsの異常分散補正項、f_G′,f_G″とf_A′,f_A″の理論値について、f_G″の差はf_<GS>″-f_<GL>″=3.886-0.492=3.394であるが、他の項の差はすべて0.01以下である。λsにおける測定では、検出器にSSDを用い、8本の回折線について回折X線と蛍光X線とを分離して測定し、回折角に依存する蛍光X線強度を得た。この蛍光X線強度をシンチレ-ションカウンタによる測定強度から差引いて、回折X線強度を求めた。
GaAsの奇数指数の回折線は、h+k+l=4n+1の線とh+k+l=4n-1の線が同数混っているので、λsとλιで得られた構造因子の平方の差は
1Fs(hkl)1^2-lF_L(hkl)1^2=16(f_<GS>″^2-f_<GL>″^2)exp[-2B_G(sionθ/λ)^2]となり、左辺の実測値からGaの温度因子B_Gが求められる。しかし回折X線積分強度の測定精度が充分でないことと、回折計の入射X強度モニタ-の感度がλιと異なるために、得られたB_Gの値の精度が低い。また得られた値も、Cukd線を用いた回折測定から得られた構造因子について、通常のパラメ-タ最適化法で求めた値の2倍程度となっている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Ozawa,R.Uno and K.Ohsumi.: "A Synchrotron Radiation Beam Following System of the Xーray Powder Diffractometer for the Photon Factory." Photon Factory Activity Report 1989.

  • [文献書誌] H.Ozawa,R.Uno and K.Ohsumi.: "An Automatic Adjusting System for the Xーray Prwder Diffractometer to follow the Synchrotron Radiation Beam Position at the Photon Factory." Nuclear Instruments and Methods in Physics Research.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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