研究課題
環境問題の態様の変化、また地球的規模の環境問題などに対応するために、環境施策全体の中で環境教育の占める比重が大きくなってきている。しかし、我国ではその必要性が認識されながらも、いまだ十分には定着していない。このような背景下で、学校教育における環境教育の導入を目標として、関連する調査を実施してきている。まず、前年度実施した調査結果を集計・整理し、学校における環境教育に関わる基礎資料として調査報告書にとりまとめ、調査対象および関連機関へ送付した。したがって、予定していた調査は全て完了した。なお、調査対象は、小・中・高校現場教員、環境行政担当者、教育委員会指導主事、教員養成系大学・学部教科教育担当教員、および技術・家庭の5種類である。これら一連の調査によって、我国の学校教育における環境教育の実態・問題点などを定量的に把握した。とくに、問題点として、各教科の学習指導要領・教科書において環境問題の重要性が位置づけられてきているにも拘らず、一部を除き、学校教育関係者における環境教育の意識がまだまだ低い状況が顕著にみられた。つぎに、環境教育を科学的根拠に基づき体系的に展開するカリキュラム検討資料の一つとして、昭和56年から継続的に取り組まれている高校「保健」における体験学習の実践例を重点的に分析・整理しまとめた。また、授業実践・試行授業を数多く展開してきているが、例えば、報告例の少ない騒音を主課題とするカリキュラムを作成し、中学校技術・家庭科の電気領域において実践を展開した。その成果は、愛媛県教育研究大会(平成元年11月)において『環境問題について』の課題で研究授業として公表した。今後、本研究で得られた知見に基づき、環境教育の教育現場への総合的な展開に必要な検討を進める予定である。
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