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1988 年度 実績報告書

環状ケイ素化合物の光化学と不安定中間体に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63470001
研究機関群馬大学

研究代表者

閑 春夫  群馬大学, 工学部, 教授 (40008454)

研究分担者 松本 英之  群馬大学, 工学部, 助教授 (90008467)
キーワードレーザー光分解 / 蛍光 / 励起状態 / 光化学反応 / 時間分割分光法 / 不安定中間体 / ケイ素化合物 / シリレン / ジシレン
研究概要

本研究は、環状ケイ素化合物の励起状態における物理的及び化学的な基本的性質を明らかにするため励起分子の動的挙動を+1秒レーザー分光法及び+1秒時間分割ケイ光分光法により検討したものである。
(1)シクロヘキサシランの光分解反応:シクロヘキサシランの脱気下、293Kで、Nd^<3+>YAGレーザー第4高調波266nmパルス照射によって生ずる過渡吸収(470nm)は、ジメチルシリレンによるものと帰属した。その寿命は、約200+1秒であり、メタノール及びトリエチルシランと拡散律速に近い速度(それぞれ9.1×10^9、M^<-1>S^<-1>及び3.6×10^9、M^<-1>S^<-1>)で反応を起こす。ジメチルシリレンの^1B-^1A遷移エネルギーは53.7kcalmol^<-1>であり、蛍光寿命は77Kにおいて、1.3+1秒が得られた。
(2)シクロトテトラシラン化合物の光分解反応:分子構造による著しい依存性シクロトテトラシラン化合物の光分解反応を、メチルシクロヘキサン、293Kと77K剛性溶媒中において検討した。光分解反応は分子構造に著しく依存することが見出された。即ち、平面構造をもつ分子では、四員環の中央部で結合が切断して、二つのジシレンを生ずる。一方、折り曲り型分子ではシリレンとシクロトリシランを生成する。これらの反応は、励起一重項状態での結合切断によって生ずる中間状態の安定度が分子構造に依存する枚である。
(3)77K剛性溶媒中におけるシクロトテトラシラン化合物の蛍光:著しく大きなストークスシフト 77K剛性溶媒中において、極めて大きなストークスシフトをもつ蛍光が観測された。この大きなストークスシフト(1.37×10^3cm^<-1>)は環中のSi-Si結合距離がSoに比較してS_1で長くなるために大きなフランクユンドン不安定エネルギーを与えるとして説明された。蛍光特性もシクロトテトラシランの分子構造(平面型と折れ曲り型)に依存することが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Shizuka,et al.: Chem.Phys.Letters. 141. 225-229 (1988)

  • [文献書誌] H.Shizuka,et al.: J.Chem.Soc.Faraday Trans.1.

  • [文献書誌] H.Shizuka,et al.: J.Chem.Soc.Faraday Trans.1.

  • [文献書誌] H.Matsumoto,et al.: Chem.Lett.629-632 (1988)

  • [文献書誌] H.Matsumoto,et al.: J.Chem.Soc.Chem.Communn.1083-1084 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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