研究課題/領域番号 |
63470005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺尾 武彦 京都大学, 理学部, 教授 (50093274)
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研究分担者 |
内藤 晶 京都大学, 理学部, 助手 (80172245)
今城 文雄 京都大学, 理学部, 助手 (30108980)
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キーワード | SASS / デオキシコ-ル酸 / シクロデキストリン / フェロセン / MM2分子力場計算 / 化学シフト異方性 |
研究概要 |
1.選択励起法と回転軸のスイッチングを組合せて1次元NMRで異方性相互作用を各々の核に対して分離測定する方法を開発した。この方法により従来の2次元法に比較して短時間で測定でき、動的構造解析にきわめて有効である。 2.SASS法を用いてαβγシクロデキストリン(CD)-フェロセン包接化合物においてゲストのフェロセン分子の^<13>C化学シフト異方性による粉末スペクトルを分離測定した。包接されたフェロセン分子は5回軸回りの運動のほか、才差運動および秤動運動を行うことが分った。α-CDでは異なったモ-ドで運動しているフェロンがほぼ1:1の比率で存在している。β-CDでは半数のフェロセン分子は縦型配向をとってホスト分子内にきっちりと包接されている。γ-CDではフェロセンは横型配向をとって才差運動をおこなっているが、これに39°の振巾をもつ秤動運動が加わっている。 3.同様にSASS法を用いてデオキシコ-ル酸-フェロセン包接化合物において、フェロセン分子の包接状態および運動形態を調べた。X線結晶解析の結果は、フェロセン分子は静止しているということであったが、この研究により、5回軸まわりの速い回転運動と5回軸自身の比較的大きな振巾(25°)の秤動運動があることがわかった。 4.MM2分子力場計算を上記化合物に対して行った。
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