• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

気相での高分解能NMR測定とその構造化学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 63470006
研究機関東京大学

研究代表者

平野 恒夫  東京大学, 工学部, 助教授 (40011027)

研究分担者 佐藤 寿弥  東京農工大学, 工学部, 助教授 (90092486)
キーワード気相NMR / ゴ-シュ効果 / 無摂動状態 / 配座エネルギ- / 1,2-ジフロロエタン / ab initio分子軌道法 / 構造化学
研究概要

気相でのNMR測定は、溶媒効果や分子間相互作用のない「無摂動状態」に関する情報を与える点で重要な新しい測定手段であり、そのデ-タは孤立系を扱う分子軌道法や分子力場法などの理論計算値と直接対比出来る点でも重要である。
本研究は、この気相での高分解能NMR測定法を^1Hに限らず、^<19>F,^<13>C核のNMRへと拡張し、構造化学への応用をはかることにある。
2年間に渉る研究成果をまとめて列挙すると、
1.新たに^<19>F核に関する気相高分解能NMRの効率的かつ、分解能の極めて高いスペクトルを測定する方法を開拓した。
2.長年の懸案となっていた1,2-ジフロロエタンの配座平衡におけるゴ-シュ効果の解明のための^<19>Fおよび^1H気相高分解能NMRを適用して正確なエンタルピ-、エントロピ-を求めた。トランス配座を基準とした場合のゴ-シュ配座のギブス自由エネルギ-の測定値は-0.81 kcal/l となりMP316-311++G^<**>基底を用いたab initio分子軌道法からの値-0.85kcal/molとよい一致を示した。なお電子状態に関する計算結果から、ゴ-シュ効果の要として、H-F間の1,4-相互作用が重要であることがわかった。
3.メタノ-ル,ジメチルエ-テルをテストサンプルとして10mm標準試料管に詰めて、270MH_2分光器により、良好な^<13>Cスペクトルを得ることが出来た。測定方法をさらに改良して、効率よく測定することが出来るようになれば、一般の有機化合物の無摂動状態の構造化学において重要な測定手段となり得る。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tsuneo HIRANO: "Gauche Effect in Conformational Energies of Linear Molecules:Ab Initio Molecular Orbital Calculations" PACIFICHEM'89,講演要旨集. INFO. 186 (1989)

  • [文献書誌] Tsuneo Hirano,Shinji Nonoyama: "Conformational Energies of 1,2-Difluoroethane by ‘H and“F Gas-phase Highresolution NMR" J.Phys.Chem.

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi