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1989 年度 実績報告書

官能基化された高歪み環状化合物の反応を軸とした新規反応活性種の創製

研究課題

研究課題/領域番号 63470013
研究機関東京工業大学

研究代表者

中村 栄一  東京工業大学, 理学部・化学科, 助教授 (00134809)

キーワード付加環化反応 / 歪み化合物 / ラクトン / 超高圧反応 / シクロペンタン / シクロプロペン / トリメチレンメタン
研究概要

本研究は歪み化合物に内在する化学エネルギ-を利用してこれまでにない反応活性種を創製することを目的として行ない、本年度はとくにシクロプロペン、メチレンシクロプロペノン誘導体の反応を中心に新規反応活性種、新反応を開発した。
今年度発表したシクロプロペン、シクロプロペノン誘導体の新規合成法に基づき合成した種々の基質に対し有機銅、有機亜鉛試薬、またラジカル活性種などを付加させることによりシクロプロパン、シクロプロパノン類を合成するという新規合成手法を開発した。
また以上の方法を応用することにより初めて合成可能となったメチレンシクロプロパノン誘導体の環開裂をともなう、〔3+2〕型の5員環合成法を開発することができた。即ち2-メチルシクロプロペノンケタ-ルの塩基処理にて容易に得られる2-メチレンシクロプロパノンケタ-ルを不飽和エステルなどの電子不足オレフィンと80度程度に加熱することによりシクロペンタン誘導体を一挙に、かつほぼ定量的な収率で得ることができた。また一方アルデヒド、ケトンなどカルボニル化合物との反応も同様に進行しα-メチレン-Υ-ブチロラクトンのアセタ-ルがほぼ定量的な収率で得られた。本反応は中間にトリメチレンメタン活性種を経て進行していると考えられる全く新しい形の付加環化反応であり、6員環合成でのDiels-Alder反応に対応する、熱反応による5員環合成法として有効であると期待される。またここでは本研究費で購入した超高圧装置の使用が反応収率の向上に極めて有効であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Isaka,S.Matsuzawa,S.Yamago,S.Ejiri,Y.Miyachi,E.Nakamura: "Applications of Metalated Cyclopropenone Ketals in a General Synthesis of Cyclopropenones.An Efficient Synthesis of the Antibiotic Penitricin" J.Organic Chemistry. 54. 4727-4728 (1989)

  • [文献書誌] S.Yamago,E.Nakamura: "Use of Methylenecyclopropanone Ketals for Cyclopentane Synthesis.A New Efficient Thermal 〔13+2〕 Cycloaddition" J.American Chemical Society. 111. 7285-7286 (1989)

  • [文献書誌] S.Yamago,E.Nakamura: "Thermal〔3+2〕Heterocycloaddition Approach to Functionalized Tetrahydrofurans" J.American Chemical Society.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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